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【日記】日本原駐屯地記念行事(後編)

前回に引き続き、昨年11月の岡山県にある陸上自衛隊日本原駐屯地記念行事の日記です。


 観閲行進の後は第13音楽隊と第13特科隊による演奏だ。
 いつもは大砲を使った演奏があるチャイコフスキーの1812年(序曲)が選曲されていましたが、今回はロシアによるウクライナ侵攻が継続中の世相を反映したようで(1812年はロシアの曲で、ナポレオンのフランス軍とロシアの戦争を題材にした曲である)
 今回はアメリカの南北戦争で北軍が行進曲として使ったリパブリック讃歌が演奏された。

ヘルメットに赤い帯を巻いた敵軍役の隊員達
バイクで入場した偵察隊の隊員が応射している場面
第13偵察隊の87式偵察警戒車

 続いて訓練展示
 想定は「日本固有の領土の領有権を主張していた赤部隊(敵役)が一方的な軍事行動を起こして陣地を築いた」と言う想定
 まずはその敵陣地へ偵察隊のバイクと装甲車である87式偵察警戒車が向かい、偵察します。
 敵陣地は偵察隊に気づき、撃ってきます。これに対してバイクに乗っていた隊員は降りて小銃を撃ち、87式偵察警戒車も機銃を撃ちます。
 (もちろん空砲である)

 偵察して敵の状況を把握した自衛隊は戦車と榴弾砲を投入して攻撃を始める。この訓練展示では第13戦車中隊の74式戦車と第13特科隊の155ミリ榴弾砲FH70が登場

対空ミサイルを発射しているを表す赤旗を掲げる隊員
高空偵察を第13飛行隊のUH-1ヘリコプター、低空で動きの多い機動を見せていた。

 敵である赤部隊が航空機を投入しての空爆を仕掛けようとするのを第13高射特科中隊の93式近距離地対空誘導弾と81式短距離地対空誘導弾で迎撃する一コマもあった。
 高射特科で得た航空優勢を利用して、第13飛行隊のUH-1が航空偵察に出撃する。低空で動き多い機動を見せてくれて迫力があった。

入場する第15即応機動連隊の16式機動戦闘車

 航空偵察を行い、より敵情を把握した自衛隊は反撃に出る。
 ここで戦車と榴弾砲のみならず16式機動戦闘車が登場、74式戦車と並んで砲撃をする場面が見れた。
 かつて、第14戦車中隊が機動戦闘車を装備していた時にも無かった光景だけに貴重な場面だ。

突撃する普通科隊員


敵陣地を制圧した様子

 戦車と機動戦闘車に榴弾砲の砲撃の後で普通科隊員が突撃を開始
 敵陣地を制圧する。
 敵車輌に見立てた高機動車や軽装甲機動車の内部も確認する隊員の姿も見れた。

 今回の日本原駐屯地の行事で個人的に興味を持って見た装備品は92式浮橋の作業用ボートだろう。初めて見た。
 このボートは重さが50トンの90式戦車も通れるように作られた92式浮橋の一部である。
 河に浮かべる92式浮橋を繋げる作業を河の中で行う為に使う作業用ボートだけが今回の式典に参加している。
 2018年の西日本豪雨で岡山県真備町が大規模な洪水被害を受けた事を反映しての装備品展示なのかもしれない。

日本原駐屯地の新たな記念品、MLRS(左)203ミリ自走榴弾砲(右)
203ミリ自走榴弾砲M110の後部

 装備品と言うと、日本原駐屯地の正門近くにM270多連装ロケットシステムMLRSと203ミリ自走榴弾砲M110が新たに記念品として展示されていた。
 どれも米ソ冷戦時代に射程が遠距離かつ大火力の装備として自衛隊に導入された。
 これらは中国地方に配備されておらず、こうして実物を見るのは初めてだ。M110の巨砲ぶりは迫力がありましたね。

来場者による戦車の試乗、戦車の後部に置かれたカゴに乗る。

 最後に戦車の試乗をしました。
 戦車の後部に載せてあるカゴに来場者が乗り、走る戦車を体感するというもの
 以前、海田市駐屯地で乗って以来久しぶりだ。
 今回の日本原駐屯地の戦車試乗は平らな海田市駐屯地のグラウンドをとは違い、デコボコの多い山道だ。
 戦車が揺れる揺れる。カゴの手すりを掴まないと立つ姿勢が崩れそうな程に激しいい。これが戦車なのかと感動する。
 そしてこんな身体へハードに響く戦車に乗り練成を続け、腕を上げる隊員には感服する。
 
 2年ぶりに来れた陸上自衛隊の駐屯地記念行事
 戦車を見れたと言う意味で自分にとっては満足できるイベントでした。
 コロナ禍が完全に終息していない中での多くの来場者に対応してくれた隊員の皆さんには感謝

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