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そうだ、川崎市議会に行こう!当時、人生二毛作目の8歳。

2011年に武蔵小杉にオフィスがあるNECの中で社員同士の共創の場「ムサコ大学」を、2013年からはオフィスの外に飛び出して武蔵小杉でソーシャル系大学「こすぎの大学」をはじめ、活動の範囲が武蔵小杉のNEC→武蔵小杉と少しずつ広がっていきました。そして、武蔵小杉から川崎全体に広がるきっかけとなったのが「川崎市議会に行こう!」との出会いでした。

川崎市議会に行こう!との出会い

企業間フューチャーセンターのイベントで知り合い、その後、NECでマーケティングを専攻している大学生とのチャレンジプロジェクト等でもお世話になっていた川崎市議会議員(当時)吉田史子さんのお誘いで、2014年5月20日に「川崎市議会に行こう!」のイベントに参加しました。

主宰者の高安千穂さんから「川崎市は再開発が進んでいることもあり先進的なイメージがありますが、実際には中学校に給食が未導入でワークライフバランス上の負担が大きいなどの課題もあります。行政を“身近でない”“どうせ変わらない”と諦めず、まずは市議会を傍聴して、行政の仕組みや内情を知りませんか?」という投げかけがありました。

行政は別世界のことと思い込んでいた当時

僕自身、「川崎市議会に行こう!」イベントの10日前までは行政を身近に感じていませんでした。理由は住民票の受け取りで区役所に行く程度の接点しかなかったから。2013年9月からスタートした「こすぎの大学」。こじんまりと武蔵小杉で活動する人(先生役)をゲストとして招いて参加者(生徒役)と一緒にワールドカフェをする感じだったのですが、2014年5月9日に開催した第9回の先生役が川崎市副市長(当時)三浦淳さん。なぜ、副市長が!?という感じだったのですが、こすぎの大学を一緒に企画運営するメンバーが三浦淳さんと飲み友だちだったというのが理由。一気に行政との距離感が縮まりました。

20200807_三浦淳さん

事前勉強会で湧いた川崎市議会への興味

「川崎市議会に行こう!」イベントに話を戻します。イベントでは川崎市の現状と課題を学びつつ、吉田史子さんから川崎市議会の現状もヒアリングしました。そこで感じたのは、
●市民の普通と市議会の普通にギャップがあるかも。"ある"でなく、"あるかも"。
●そのギャップ解消に取り組んでいる議員さんがいる。
●一方で、ベテラン議員は寝ていたり、ワイドショーで流れる国会同様のネガティブなイメージは市議会も同様っぽい。

20200807_川崎市議会に行こう_01

川崎市議会を傍聴しての数々の気づきともどかしさ

勉強会から数週間後、初めての市議会の傍聴。結論から書くと、従来からの慣習に縛られ、スゴイことがスゴイと伝わらないことにもどかしさを感じた場でした。

傍聴できるのは先着100名。当日の傍聴者は10名程度。僕らの仲間が5人だったので、普段は数人ということ!?

市議会が始まりました。当日は、自民党と公明党による代表質問と答弁。まずは、自民党 廣田健一議員による代表質問。国会同様の原稿読み上げが1時間続きました。その間、議員や市の各担当局長たちは黙って聴くだけ。議場には必要最低限の持ち込みしか許されておらず、パソコンやスマホ、不要な資料なども持ち込み禁止。質問内容で気になった点をググることもできず黙って聴くのみ。非生産的な時間。僕は市議会の様子をtwitterで中継していたから起きていられたものの、そうでなかったら爆睡していたはず...。質問の後は、福田市長や各担当局長が代わる代わるに原稿読み上げによる答弁。ふと、川崎市のホームページを見たら、すでに質問項目が掲載されていました。さらには「およそ3時間3分程度」の記載。えっ、分刻みに計画されたプログラム!?

休憩時間に三浦淳副市長が話しかけてくださいました。僕の気持ちを察したのか、「議会に至るまでに質問に対する施策の検討や回答準備、原稿作成に多くの時間を費やし、それを分刻みで発表する。裏側も知ってほしい」との言葉。

本当にそうなんです。分刻みで進行するまでに練られた質問と答弁。ただし、傍聴席にいる僕らは、その姿しか知らず、このように感じるはず。「原稿を読み上げているだけじゃん。そして、わざと早口で、市民には理解されないように」。しかし、早口な理由は、多くの案件を議論をした結果だから。議会に至るまでの多くの議論が伝わらない、分刻みで入念に設計されている緻密な発言要旨が伝わらない、スゴイことがスゴイと伝わらないことが残念で仕方ありませんでした。

ストーリーへの共感が求められる今。市民は市議会を傍聴しかできず、関与しづらい場。市議会を再設計(デザイン)することで市民が共感・共創する仲間になるような場になれば、街づくりのスタイルも変わると感じた時間でした。

川崎市議会に行こう!を通じて学んだこと

川崎市や中原区と聞くと市役所や区役所という「建物」を、川崎市議会と聞いても「議場」というハードのイメージを思い浮かべしまう。そこには人が介在しないので無関心・無関与になってしまう。相手を建物などと思うからこそ、完璧を求めてしまって不平不満をぶつけてしまう。中の人を知ることで関心・関与の対象になる。

(補足)
2014年6月にHUFFPOSTに寄稿したBLOGを転載・一部加筆修正しています。



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岡本克彦(オカポン)
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