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【阪神タイガース】交流戦全カードを振り返る(対楽天・対ロッテ・対西武編)

こんにちは!かったーです!

最下位からの巻き返しに向けて、例年よりも交流戦の重要度が高かった阪神タイガース。

特に6月に入ってから状態を一気に上げて、12勝6敗の2位でフィニッシュすることができました。

交流戦前の時点で12個あった借金も6個にまで減らすことができ、順位を意識する時期ではありませんが、今季初めて最下位から脱出することもできました。
(1位ヤクルトとは12.5ゲーム差、3位広島とは2ゲーム差の4位)


そこで今回はリーグ戦再開までの期間を活かして、今季の交流戦を振り返っていきたいと思います。

第1回目は前半3カード(楽天戦・ロッテ戦・西武戦)についてまとめていきます。

阪神ファンの皆さんはもちろん、他球団ファンの皆さんにも楽しんでいただけると幸いです。

それではいってみましょう!



5/24〜5/26 対楽天

5/24 1-0○(神:西勇輝 楽:田中将大)

5/25 1-6●(神:西純矢 楽:辛島航)

5/26 0-1●(神:ガンケル 楽:岸孝之)

最初のカードはパ・リーグ首位楽天との対戦でした。

スコアを見て分かる通りこの時期の阪神は「深刻な得点力不足」に陥っており、特に返す側の選手の貧打に苦しめられていた印象です。

3試合で奪った得点は僅か2得点で、いずれも大山悠輔選手の打点というところに阪神打線の苦しさが詰まっています。


またこのカードの2戦目にマルテ選手が再び離脱してしまい、4月中盤から5月序盤にかけての「打順コロコロ状態」に逆戻りすることを恐れていたのを覚えています。

”マルテショック”の影響からか、矢野監督の采配でも消極的に見えるものがあり、その代表例が「長坂選手に代走を送らなかった件」です。

後に矢野監督自らこの采配を反省して、積極的な采配を意識し始めたと明かしており、結果的に”矢野阪神本来の野球”を取り戻す良いきっかけになったと言えそうです。


一方の投手陣は1戦目・3戦目は先発を務めた西勇輝選手・ガンケル選手を筆頭に中継ぎ陣も安定感抜群で、楽天打線を封じ込めることに成功します。

ただ3戦目で気がかりだったのが守護神岩崎優選手で、0-0で迎えた9回表にマウンドに上がると2アウト1,3塁のピンチを招き、代打銀次選手に先制タイムリーを浴びてしまいます。

結果的にこれが決勝点となり、岩崎選手は今季2敗目を喫します。

SNS上では湯浅京己選手との配置転換を望む声も上がりましたが、矢野監督は「守護神起用継続」を明言し、これ以降現在まで6試合に登板して無失点を継続しています。


2戦目の西純矢選手は初めてローテを守り続けた疲れからか、球速・制球ともに本来より悪い状態で2本のHRを含む4失点と試合を作ることに失敗します。

ただ全体的には投手陣に文句をつけることはできない試合内容だったと思います。


交流戦最初のカードで負け越してしまい、なんとも言えない重苦しい雰囲気が漂っていて、次戦の佐々木朗希選手との対戦前からTwitterのトレンドに「完全試合」が入る異常事態でした。



5/27〜5/29 対ロッテ

5/27 0-1○(神:ウィルカーソン ロ:佐々木朗希)

5/28 2-6○(神:青柳晃洋 ロ:佐藤奨真)

5/29 3-2●(神:伊藤将司 ロ:ロメロ)

そんな嫌な雰囲気で迎えた2カード目は今季阪神同様打線で苦しんでいるロッテとの対戦でした。

このカードの注目はなんと言っても「佐々木朗希選手との対戦」で得点力不足に苦しむ阪神打線がどのように攻略するのかに注目していました。

結果的に佐々木朗希選手のミスや糸原健斗選手・島田海吏選手ら左打者のヒットでチャンスは作りましたが得点は奪えず、佐々木朗希選手は降板します。


一方の阪神先発ウィルカーソン選手は来日最長8回を投げ切る圧巻の投球で援護を待ち続けます。

この好投に楽天3連戦からチャンスでの凡退が続き、鬱憤が溜まっていたであろう佐藤輝明選手がHRで応え、1-0で勝利することができました。

益田直也選手のシンカーをうまく拾ってバックスクリーンまで運ぶ佐藤選手にしか打てないようなHRでした。


1戦目を取った勢いそのままに2戦目は初回から3点を奪い、終始阪神ペースで試合を進めます。

圧巻だったのは青柳晃洋選手の投球で、9回途中まで投げて自責点0でロッテ打線を封じ込めます。

味方のエラー絡みで失点し、完封は逃しますが文句のつけようのない素晴らしい投球でした。

133球という球数が物議を醸しましたが、個人的には「年齢的に全盛期を迎えている青柳選手が自身の価値を高めるために完封を狙う・狙わせるのは当然で、中7日だったことも加味すれば全然問題ない」と思っています。

これに関してはいろんな考え方があって然るべきだと思うので、違う意見の方を否定するつもりは全くありません。


阪神ファンとして悔いが残っているのが3戦目で、「打順に不可解な点があったこと」「初回のノーアウト満塁のチャンスを逃してしまったこと」が大きな要因です。

この日の「5番指名打者原口文仁」だけは現在でも納得のいく理由が思いつかない選手起用になっています。
(理由が思いつく方はコメント欄に書いていただけると嬉しいです。)


ロメロ選手の立ち上がりの不安定さと過去2戦の流れを考えると、十分3連勝できたカードだったと思います。

それでもこの交流戦初のカード勝ち越しを決め、徐々にチーム状況が上向いてきたことを実感したカードでもありました。


5/31〜6/2 対西武

5/31 0-2●(神:西勇輝 西:佐藤隼輔)

6/1 5-4○(神:西純矢 西:與座海人)

6/2 6-1○(神:ガンケル 西:隅田知一郎)

3カード目は西武戦です。

1戦目では7回1失点の先発西勇輝選手を打線が援護できずに完封負けを喫します。

この試合で初めて自力優勝が消滅し、一時期復活していたものの、現在も消滅中です。

ロッテ戦で得点をある程度奪えるようになっていただけに、「またこれかあ…。」と感じた阪神ファンの方も多かったのではないでしょうか。

それでも藤浪晋太郎選手の復帰後初登板もあり、球場全体が沸いた場面もありました。


2戦目から「1番島田・2番中野・3番近本」という打順に組み替え、これが見事にハマります。

初回から島田海吏選手・中野拓夢選手の連打が生まれ、盗塁を絡めてノーアウト2,3塁のチャンスを作ります。

このチャンスに近本光司選手が内野ゴロを転がし、あっという間に先制点を奪うことができました。

さらに佐藤輝明選手にタイムリー・大山悠輔選手に3ランHRが飛び出し、先発西純矢選手に5点の援護点をプレゼントします。

中村剛也選手・栗山巧選手らの活躍で1点差まで詰め寄られますが、勝ちパターンの中継ぎ陣で逃げ切ることに成功、連敗をストップさせることができました。

この新打順がハマったことと大山悠輔選手が無双状態に突入したことで、チーム状態が一気に上向きます。


3戦目はガンケル選手の投打に渡る活躍で流れを引き寄せ、6-1で快勝することができました。

序盤3回で7本のヒットを放ちながら無得点というチグハグな攻撃が続いていただけに、ガンケル選手のタイムリーツーベースは非常に大きかったです。

またこの試合では2点差に詰め寄られた直後の7回裏ノーアウト1,2塁の場面で、大山悠輔選手が送りバントを決めたことも印象的です。

続く糸原健斗選手がタイムリーを放ちこのバント策は成功、湯浅京己選手・岩崎優選手を休ませながら「藤浪晋太郎vs森友哉」を実現させることもできました。

この送りバントに関しては流れを考慮した矢野監督の好判断だと個人的には思っていて、この辺りから矢野監督の采配が「切れるカードを温存する選択を取らなくなった」ように感じています。


新打順をきっかけに6月のBIGWAVEが生まれた交流戦の分岐点となる3試合だったと言えそうです。



後半へ続く

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