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「芸術はいらない!?」新科目公共から学ぶ探究のトビラ(19)

 人間社会では,必ず意見や考え方が対立します。解のない問題や課題が現代社会では増え続け,これからはコミュニケーションを通じた共に納得できる解を見いだす姿勢や態度がますます求められます。中高社会科教員経験のある大学教員です。生徒や学生たちとの授業実践,互いの根拠や意味を問い合う対話による探究活動を紹介します。諸学校での授業活用はもちろん,理解しやすい身近な題材にしていますから,友人同士や家族団らんで語り合ってみてはいかがでしょうか。

ゴッホ〈ひまわり〉にトマトスープ‼

 2022年10月14日のロンドン,ゴッホの名作〈ひまわり〉に環境活動家2人がトマトスープを投げつける騒動を起こしました。2人は芸術より,生命や食料を守ることを主張していました。

環境保護アピール

 当時,イギリス政府は,北海油田における石油とガス採掘政策を進めており,それに対する抗議活動とみられています。2人は,「絵1枚と地球上の生命,どっちが大切なのか?」と訴えていました。

芸術をどう見るか⁉

 芸術は,絵画だけでなく,音楽や演劇など多岐にわたります。確かに,絵画を見ても,音楽を聴いてもお腹は満たされません。しかし,人生を豊かにするには,心を満たす必要があります。

私たちに必要な想像力

 資本主義社会では,ゴッホの1枚の絵画に120億円の値を付けます。その金額で発展途上国の子供たちの命をいくつ救えることができるかと想像すると,絵画や地球の重さを感じられるかもしれません。2人の環境活動家の行為は許されません。しかし,私たちに大きな想像力を持つきっかけになったのかもしれませんね。

探究とは…
①自分で課題を見いだす
 ②解のない問いと向き合う
③人としての在り方生き方を追究する
④他者と共に望ましい社会形成に参画する

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