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虫の声が聞こえる

雨の日は頭が痛い。前にnoteにも書いたが本当にキツい。
湿気で髪の毛も大荒れで気分も鬱屈としている。
こんな雨模様を晴らしてくれる何かはないものか。
そんな時、ふと懐かしい歌を思い出した。

幼い頃、「みんなのうた」をテレビで観ていた。
印象的だったのは「グラスホッパー物語」というもの。
昆虫たちの歌をミュージカル仕立てで構成している作品。
中でも「グラスホッパーからの手紙 ~忘れないで~」という曲が非常に良い。
歌詞が天気と関係あるわけではないのだが、とにかく気分が晴れやかになる。
どこか懐かしさを感じるノスタルジックな雰囲気と曲終盤の壮大さとのギャップがなんとも美しい。何度も繰り返し聴きたくなってしまう。
音楽を言葉で表現できるほどの語彙力がないので、まず一度聴いてほしい。

あまり周りには言ってこなかったが実はミュージカルが好きだ。
高校を選ぶ決め手になったのも文化祭で演劇に挑戦できるからだった。
私の高校では3年生6クラスが文化祭でそれぞれ異なる演劇を披露する。
演劇への興味と学校周りの豊かな自然が入学する高校の決め手だった。
受験シーズンにも関わらず、大半の人は夏休みをがっつり演劇に捧げる。
私のクラスは比較的冷めていて、数名を除いてほぼ受験モードだった。
運が良いのか悪いのか、積極的な参加者も少なくて主役をやることに決まった。

他のクラスが「アラジン」や「天使にラブソングを」を一生懸命練習している中、なぜか私のクラスはオリジナルのストーリーで演劇をやることになった。
「オリジナルだから歌いたい歌決めていいよ」と言われて、劇の内容にあまり関係ないのに「モーツァルト!」の「愛していれば分かり合える」を選んだ。
歌を軸にして脚本を書いてくれたクラスの文化祭委員にはとても感謝している。
高校生のくせに一丁前にハグシーンがあって、自分の恋愛経験の乏しさが全面に出ていた”ぎこちないハグ”は今でも思い出すと恥ずかしい。
演技が下手くそすぎて歌っているだけの方が楽しいことに気づいた。
そんなこんなで文化祭を終えて、そのまま浪人期に突入するわけだが…
浪人期の話はまた改めてnoteに書こうと思う。

個人的に好きなミュージカルで「夢から醒めた夢」がある。
原作が赤川次郎ということもあって、そもそも話の内容が面白い。
劇団四季の中でもトップクラスで好きな作品かもしれない。
変な文章で誤解を与えてもいけないので、とりあえず勧めるだけ。
ぜひ一度、せめて歌の部分だけでも観てほしいと思う。

大好きな音楽を聴いていると雨が違ったものに見えたりする。
頭痛をもたらす鬱屈としたものから違う何かへ。
恥ずかしい黒歴史も幼い頃の感性も、色々含めて”忘れないで”とグラスホッパーが言っている気がする。どこかの葉の上でばったり会うかもね。バッタだけに。


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