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雨の下ノ廊下を歩く(1日目)

10月初旬、友人と北アルプス、黒部にある「下ノ廊下」を2日間かけて歩いてきました。下ノ廊下は黒部ダムから黒部川を下流に下ったエリアのことで、緊張感のある断崖絶壁を歩くルートです。

2日間のスケジュールはこんな感じです。

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【1日目】
富山駅 → 欅平 → 水平歩道 → 大太鼓 → 阿曽原温泉小屋

【2日目】
阿曽原温泉小屋 → 十字峡 → 白竜峡 → 黒部ダム → 松本市

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1日目

前日の22時に大阪から夜行バスに乗って富山駅に向かいます。
僕は夜行バスでは全く眠れないのであまり利用したくないのだが、今回は時間を優先。富山駅から電車とトロッコ列車を乗り継いでスタート地点の欅平(けやきだいら)へ向かいます。

レトロなデザインの電車
トロッコ列車
窓が無いので雨風がもろに車内を吹き付ける
残念ながら天気は雨・・・
時速30kmぐらい
欅平までおよそ1時間
9時半、欅平駅に到着

下ノ廊下を歩くルートは基本的に、
①黒部ダムから欅平へ下る
②欅平から黒部ダムへ上る
のどちらかになります。
登山のように急勾配はありませんが、①の方が全体を通して下りになるので体力的には楽です。ただ大阪からだと時間的に①は難しく、前泊が必要だったので②を選びました。②の方が全体的に上り方向になりますが、普段の登山と比べると勾配は緩いので体力的に問題ないと判断しました。

欅平から黒部ダムへかけての距離と標高

10:00 欅平出発

欅平スタートの場合、いきなり400mの急登があります。夜行バスで寝不足状態の体調には少々きつい上り。少し強めの雨が降る中、淡々と登っていきます。急登を超えると水平歩道が始まります。

水平歩道
中央のくぼんだ所を歩きます

この歩道は関西電力が管理しており、毎年補修工事を終えた9月〜10月ぐらいの期間のみ開通します。なぜたった2ヶ月程しか開通していないかというと、峡谷の残雪で通行できないからです。雪が消え、補修工事を行ってやっと通れるようになります。
今年は猛暑の影響で例年より早い開通だったそうです(9月中旬)

志合谷トンネル
全長150mの真っ暗なトンネルでヘッドライトが必須です
大太鼓
歩道の横は断崖絶壁で緊張が解けません
緊張が続く道中ですが、雄大な黒部渓谷の自然が癒やしを与えてくれます
本当は紅葉を期待してましたが、紅葉はごく一部のみでした

15:20 阿曽原温泉小屋

下ノ廊下で唯一の宿泊地、阿曽原温泉小屋。
おそらく時間的に1日で下ノ廊下を抜けることは難しく、ほとんどの人がこの小屋を利用することになると思います。開通期間が2ヶ月も無いので毎年予約が殺到します。テント泊の予約はありませんが、到着が遅れるとテントを張れる場所がなくなるので、早めの到着が理想です。

僕らは今回テント泊で予定を組んでいましたが、2日前の時点で天気予報は雨。中止も検討しましたが、小屋に空きがあったので小屋泊で決行しました。小屋に着くと多くのキャンセルが発生しており、通常、一部屋12人の過密状態のところ、半分の6人程でゆったりと使うことが出来ました。

阿曽原温泉小屋
テントは2張だけでした

小屋は簡易的なプレハブで、お世辞にもお洒落とは言い難いです。台風がくれば吹き飛んでしまいそうな程。それもそのはずで、この小屋はシーズンが終わると解体してしまいます。1年のうち稼働するのが2ヶ月程、しかも豪雪地帯。普通の小屋では倒壊してしまうので、シーズン前に小屋を組み立て、シーズンが終わる解体してトンネル内に資材を保管しておくそうです。

名物の露天風呂
小屋から歩いて5分ぐらいのところにあります
最高のロケーションの温泉
夕食はボリューム満点でした

18時にダイニングで宿泊者全員が集まって夕食です。
この日の宿泊者は全部で24人。最大60人まで宿泊できるので半分以上がキャンセルしたことになります。正直、24人ぐらいが快適に過ごせるギリギリなのではないかと思いました。60人となるとダイニングにも布団を敷いてギリギリまで人を入れるそうです。やばい・・・
前半は雨に当たったけど後半は雨も止み、宿でも快適に過ごすことが出来たと思うと、この日に決行して良かったと思いました。笑

明日も予報では雨だが、この幸運は続くのか。

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