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ジャパニ

「日本のインド料理店で働くのはだいたいネパール人だよ~はっは~!!」と8年くらい前の卒業旅行で多くのインド人に言われた言葉を思い出した。当時は、2-3週間かけて、ニューデリーからコルカタまで鉄道旅行をした。(バラナシにも勿論いった。トップ画がその写真)

その時のインド人は笑いながら、もともとはインド人も日本にいっていたみたいだけど、今は日本でインド人ぶっているのはネパール人が多いんだよ。と言っていた。

当時はああそうか、確かにインドの人はもはや日本でわざわざ働かなくても発展している自国で職にありつけるか。インド工科大学の人なんかは、日本人なんて目じゃないくらい優秀で、米国の企業いっているしな~と。

日本に帰国してからも、コンビニにいる外国人はベトナム人・中国人が多いイメージであまりネパール人を見かける機会がなく当時の記憶は忘れかけていた。

そんな記憶を以下の番組を見て思い出した。

この番組は、2020年みたネット含むすべての番組の中で一番面白かった。母国ネパールで、祖父母に育てられた9才の少女、ビピシャ。両親は遠い日本で、夫レストラン・妻ホテル(ベッドメイキング)で働いている。この前、書いたnoteで子育てについて触れたが、日本の事情とは全く別次元での葛藤がそこにはあった。

ヒマラヤを望む美しい山々。一方のサンシャインの展望台から望む、無機質なビル群。ビピシャの父は言う。こんなきれいな眺めは、ネパールにはないだろう。しかし彼女は、ネパールの豊かさを知っている。

両親は、よりよい教育・よりよい豊かな生活を求めて日本で働いている。最初は父が。しかし、父だけでは日本への渡航費用・ビザなどの手配を行った際の初期費用を払うだけで精一杯だ。そこで、母もベッドメイキングの仕事を行うために日本へ。母は、ビピシャを日本で妊娠したが出産はネパールで。出産後3ヶ月で日本に戻って働いてた。幼いビピシャを残して。

母は、毎日仕事を休まずに働き続けている。プレッシャーの中で。
当たり前の話だが、日本は超少子高齢化社会で労働力が激減している。加えて、育休など「正社員」労働者にとっても働きやすい環境が整ってきている。

一方で、非正規雇用者や外国人人労働者が調整弁という役割で存在している。その中での、ネパール人の立ち位置はどこなのだろう。

2018年12月末現在、日本で外国人登録されているネパール人は88,951人である。(wikiより)
中国や韓国からの、在留人数から比べると少ないかもしれないが、2000年の3,649人から比べた時の伸びは24-25倍と凄まじい増加をしている。
市立の学校でも、多くの外国籍の子供は増えているようだ。

日本では、技能実習生・移民というとあくまで「単純労働力」をどう確保するかという話に終始してしまう。日本人は、日本に来る労働者を5年程度で帰そうとしている。しかし、そのような「使い捨て」のような発想で本当に良いのだろうか。少なくとも私は、故郷に家族を残しても、お金のためということが第一だとしても、この国で懸命に働いてくれる皆様に敬意と、必要に応じて永住権を与えられるようにしてほしいと強く思う。

数字の上では、ネパール人が約8.9万人。だが、その8.9万人は、家族を・故郷を捨ててさえ日本で働くこと選んでくれたのだ。

移民への理解・日本人の寛容性がもっと進んで欲しいと切に願う。



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