小学校理科を指導要領から考える【毎週水曜日更新】

はじめに

 東京都葛飾区を中心に理科教育イベントを行っている筆者が小学校での理科教育法や楽しく学ぶ方法を考え、とりあえず文章に起こしている記事です。読みづらい部分ばかりとは思いますが、発想の一つとしてお読みいただければ幸いです。
当記事、当シリーズは全文無料でお読みいただけます。

前回→「植物の養分と水の通り道」
https://note.com/katsushikakap/n/nf84d1ef3acb7


1.「生物と環境」の概要

 生物と環境について、動物や植物の生活を観察したり資料を活用したりする中で、生物と環境との関りに着目して、それらを多面的に調べる活動を通して、次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のことを理解するとともに、観察、実験などに関する技能を身に付けること。
(ア)生物は、水及び空気を通して周囲の環境と関わって生きていること。
(イ)生物の間には、食う食われるという関係があること。
(ウ)人は、環境と関わり、工夫して生活していること。
イ 生物と環境について追究する中で、生物と環境との関わりについて、より妥当な考えをつくりだし、表現すること。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編

(4) 内容の「B生命・地球」の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア アの(ア)については、水が循環していることにも触れること。
イ アの(イ)については、水中の小さな生物を観察し、それらが魚などの食べ物になっていることに触れること。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編

2.「多面的に調べる活動」を考えてみる

 社会に出てからも出てくる「多面的」なアレコレですが、
小学校、小学生というある意味の制約がかかる環境でどう「多面的」に調べる活動を行うかを考えてみましょう。
まずは当然、何を調べるかを決めることです。本単元では、
動物なのか、植物なのか、環境なのかを班ごとなど大きく決めて、
さらに具体的に特定の1つまで絞ることが必要と思います。

媒体を使って調べ学習をする前に「ブレインストーミング」や「ブレインマップ」と呼ばれるような形で調べる前の自分が知っている情報を書き出してみて、知っている事の偏りや、調べたいことを把握する時間を作るのが良いです。
また、書き出したものを残しておくことで、調べ学習を行う際にも新しい気づきや、新しい疑問が出てくるでしょう。調べ学習後も知っている事が広がっていく感覚を体験的に得る事ができるはずです。

3.水中の生き物の観察

 色々な点で難しい観察ですが、ビオトープ等の生き物を確実に採取するすべがあるのなら、観察方法も工夫することができると思います。

教科書を見るときちんとスライドガラスに生き物がいる水をスポイトで垂らして観察するようです。子ども達が準備するには気にする部分が多くなる作業かと思います。
なので形式のために無理をせず池の水をシャーレに入れてそのまま観察する方が生き物が動く様子を観察するのには向いていると感じています。

実験器具の使い方を正しく扱うことはもちろん大切な学習ですが、
正しい使い方を知った上で、観察するための上手な使い方を知っていく事がより素敵な学びだと考えています。
だからこそ、自由に器具を使える時間とかあったら良いのにな~と思っている次第です。

4.おわりに

 今回も短いですが、本当に重要だと考えている部分をまとめてみました。
本年度は実際に学校現場の様子を見学させて頂くことができ、ありがたいことに意見交換などもできる環境を頂いております。
理想と現実を上手に組み合わせてよりよい学習体験に繋げていきたいと考えております。

毎週水曜日更新予定、次回は9月11日更新!「指導要領第6学年 
土地のつくりと変化」を考えていきたいと思います。
このシリーズを書き始めた頃に比べると多くの方のおかげで忙しい日々を送らせて頂いております。
イベント等々毎週の様に行っていますのでご興味あればHPやXをご覧ください。
当記事、当シリーズは全文無料でお読みいただけます。
コメントや応援いただけますと幸いです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?