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序章 はじめに  001. 本稿を始めるにあたり


  • 本稿のテーマ:日本をどのようにマーケティングすればよいか?

  • マーケターにできることは、人々に生きるための希望を与え、進むべき道筋を示し、心に活力を与えること。

  • 本稿の目的:日本の製造業の海外展開推進。



こんにちは、マーケティングデザイナーの藤郷かつらです。

「この日本という国をマーケティングするなら、どうすればよいだろうか?」、このひとつの疑問が本稿を始めようと思ったきっかけである。

「にっぽん x マーケティング」、すなわちどうやっていまの日本をマーケティングすればよいか、というのが本稿の全体を通した大きなテーマのひとつである。

「日本をマーケティングする」と聞いても、なんのことだかさっぱり、という人もたくさんいることだろう。

この辺りのことはこの先読み進めていただければ次第に理解してもらえるようになる。ここはひとまず読み飛ばしてもらいたい。

通常、マーケティングは企業・団体といった組織で用いられる。本稿では、「マーケティングを日本という国のレベルで用いるとどうなるか?」ということを命題とし執筆している。

「にっぽん x マーケティング」、私が日本をマーケティングするならどうするか。この命題に対して私は世界に誇る日本の製造業に着目した。

日本にしかつくることができない製品がある。世界中を見渡しても、日本でしか手に入らない製品がある。

日本以外の世界の国々にはつくることができない製品を日本の製造業はつくることができる。世界で唯一、その製品はその企業から手に入れるしかない、という日本企業も存在する。

これが日本・日本人・日本企業の強みである。そのような製品は数え上げればきりがない。

いま日本の製品を使っている人は世界中に無数にいる。日本の製品を欲しがっている人もそれ以上にいる。世界中の人々に幸せと感動を届けることができる。

そのような製品を日本がつくり続けていることは、日本人である私にとって大きな誇りだ。

資格の有無にかかわらず、マーケティングを専門としている人々はマーケターと呼ばれている。私もそのマーケターのひとりだ。

マーケターの使命は、「内に向かっては人々に希望の光を与え、外に向かっては世の中の人々をより幸せにすること」であると考えている。

人は誰しも希望の光を見たとき、明るい未来を知ったときに元気になれる。だからこそ人は希望の光を見たい、明るい未来を知りたいと思っている。将来に希望をもてているからこそ、人はいまを元気に生きることができる。

自分の将来が不安、日本の先行きがどうなるのかわからない。これでは、日々のやる気が湧いてくるわけもない。

日本の経済が低迷しているといわれて久しい。GDPの成長率はバブル前と比べるべくもないほど低成長を記録し続けている。

経済の低迷を政治のせいにする論調も見られるが、私は政治が主な原因だとは考えていない。

目の前の利益を得ることに走り、自分たちの強みを忘れた日本企業たちがそのような低成長になる原因を自らつくったというのが私の理解だ。

経済が低調になり、以前のように収入が右肩上がりではなくなった。それまでのような安定した収入増が期待できなくなり、人々は将来に希望がもてなくなった。

これは出生率の低下の原因のひとつとなっている。出生率が低下すれば人口増による経済規模の自然増も期待できなくなる。この悪循環がいまの日本を取り巻く環境である。

マーケターにできることは、人々に生きるための希望を与え、進むべき道筋を示し、心に活力を与えること

日本人は世界でも幸福度が低い民族に数えられる。謙虚といえばそれまでだが、本当に希望が見えなくなっていることも事実だろう。

日本・日本人・日本企業にさらなる希望を抱いてもらい、もっと元気になってもらいたい。ひとりの人間にできることは限られている。志半ばで燃え尽きるかもしれない。でもやってみないとわからない。

私がやるべきことは、これまで培ってきた知識・経験を最大限に活かし、日本を元気にする、日本人に自信をもってもらう、日本企業が世界で活躍するきっかけをつくること

そして世界中の人々に日本のことをもっと知ってもらいたい。日本人がつくった製品を世界中に届けたい。日本の魂がこもった製品を世の中で役立てたい。

自分のつたないマーケティングスキルを使ってなにか世の中の役に立ちたい。

自分のマーケターとしての経験、外国でのビジネスの経験を活かせば、なにか少しでも日本のためにできるのではないか。

世界の人口は80億人に達しようとしている。日本の人口は1.2億人と世界の1.5%に過ぎない。多くの様々な日本の製造業がこの1.5%の小さな市場で切磋琢磨し成長し続けてきた。

その経験、知識、技術を活かして残りの98.5%の市場へうって出るにはどうしたらよいのだろうか。

たった人口1.5%の市場で競い合うのもよいけれど、もしかして「井の中の蛙大海を知らず」になってしまってはいないだろうか。

もしくは、知ってはいるがどうやって海外へ展開していけばよいかわからないのか、どちらかではないだろうか。

本稿は日本の製造業の海外展開推進を主目的に制作している

いまから海外へ展開を考えている、過去に海外展開を挑戦したけれども願い叶わず断念してしまった、もしくは海外へすでに展開中であるものの、どうもうまくいっていない。

このような日本の製造業を主な対象として執筆している。

日本の製品をいまから、もしくはいまよりも外国へと拡げていきたい、と考えている企業の経営者はど真ん中の対象である。

駐在員を含めた海外担当者、それに製品を担当している製品担当者(プロダクトマネジャー)、もう少し責任範囲が広く製品群を担当しているマーケティングマネジャーなども本稿の読者として想定している。

マーケティングの知識や経験は様々だろう。マーケティングというものについていまから学んでみたい、マーケティングという仕事を任されたけど、「なにをすればよいのか不安だ」、という人もいるだろう。

「若い人の口から最近マーケティングという言葉をよく聞くようになったけど、マーケティングとは結局のところいったい何なのだろう。」

「いままでまがりなりにもマーケティングをやってきたけれども、そもそも自分がやっているマーケティングが正しいのかよくわからない。」

そんな感じの方々を読者として想定している。

いまはマーケティングという言葉の定義すらよくわからない、という人もいるだろう。それでまったく構わない。それどころか、むしろ私にとってはそのほうが都合がよい。

詳しいことはこの先説明していくことになるが、マーケティングはこの数十年の間にアメリカから日本に入ってきたものである。日本は未だにこの外来語について消化不良を起こしている最中にある

マーケティングの定義は、マーケターの数だけあると言っても過言でない。日本ではマーケティングの正しい理解が進んでいるとは言い難い。日本ではマーケティングの本質が共有されるに至っていない。

マーケティングのことを何も知らない人に読んでいただければ幸いである。むしろ事前知識がない人のほうが私の話を違和感なく聞いていただけると考えている。

逆に、「自分にとってのマーケティングはこうだ」、という考えをおもちの方にとっては、もしかすると本稿は不向きかもしれない。

私はマーケティングの実践を行うマーケティングデザイナーであって、学者ではない。そのためマーケティング学というものを研究して発表するつもりもない。それに、日本におけるマーケティング論といった論文を書く予定もない。

あなたが専門用語ひとつひとつの定義を学びたいと思うならば、ぜひインターネットで調べてもらえればよいと思う。

私がここであなたに話す内容はすべて実践的なマーケティングだけ。あなたのいま目の前にある仕事に私の考えるマーケティングを実際に役立ててもらいたい。

初めのうちは横文字の専門用語がいっぱい出てきて大変だろうと思う。

私も最初は同じだった。マーケティングの流れを教えてくれる人もいなかった。

でも、一連のプロセスを一度経験してもらえれば、本稿に戻ってくることなく、次からはあなた自身でマーケティングプランをつくり、戦略を遂行できるようになるだろう。

そして今度はあなたがあなたのまわりの人に教える番だ。

そうやってじわじわとマーケティングの正しい理解が進み、マーケティングの本質が人づてに伝わるようになる。

そして、日本中で多くの人がマーケティングを語り出す。それが実際に企業で、もちろん製造業でも使われるようになる。

そして日本の製造業がさらに海外で躍進し、日本の製品が世界中に溢れ、社会をより良いものへと導くことで、日本が世界でさらに輝く存在になると確信している。

今回は、本稿全体の目的について述べた。

次回は、「にっぽん x マーケティング」というテーマについて述べたい。



  • 本稿のテーマ:日本をどのようにマーケティングすればよいか?

  • マーケターにできることは、人々に生きるための希望を与え、進むべき道筋を示し、心に活力を与えること。

  • 本稿の目的:日本の製造業の海外展開推進。


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