見出し画像

2章 マーケティングの課題  026. マーケティングという言葉が混乱を生み出した


  • マーケティングという言葉そのものが混乱を生んでいる。

  • アメリカでも学者により、団体により、時代により定義が異なるため日本人の理解が追いついていなかったとしても無理はない。

  • 日本には顧客を起点としたマーケティング的な概念、他者や社会を主軸とした顧客中心主義のような観念が根付いていた。



こんにちは、マーケティングデザイナーの藤郷かつらです。

前回は、マーケティング発祥の地アメリカ、というテーマについて述べた。

今回は、マーケティングという言葉が混乱を生み出した、というテーマについて述べたい。

マーケティングは1900年代初頭にアメリカで生まれたとされる。その後、マーケティングという言葉が日本にもち込まれたのは1950年代といわれている。決して最近の話ではない。にもかかわらず、現代日本人のマーケティングに対する理解が進んでいるようにはあまり思えない。

日本は他国の優れたものを取り入れ、それを日本・日本人・日本企業に合わせて独自の形に発展させることを得意としている。これは和魂洋才と呼ばれている。

ではなぜ、マーケティングについては和魂洋才が用いられてこなかったのであろうか。言い換えれば、なぜ日本にあわせた、日本式マーケティングと呼ぶべきものがこれまで発達してこなかったのだろうか。

ここから先は

2,935字
この記事のみ ¥ 480

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?