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【かつらのお話:刳の貼り付け】


少しずつ形が出来てきた中剃りの地金

前回刺し終わった刳のチュールを暈し貼りの下段取りの出来た地金に貼り付けました。これは前シリーズの御家人のかつらと同じ要領です。

こんにちは。京都時代劇かつらです。

人毛を植え付け、フィルム液で固着させたチュール。
平面であるチュールを立体な顔に添うように貼ります。


裏側も地金にしっかり貼り付ける


絞るように貼るとよく言うのですが、チュールの両端をほんの僅かですが内側に向くようずらして貼るのです。

その動作を絞ると言い表しています。

当然ながら、絞ると僅かに刳が後退します。折角役者さんに合わせてとった大切な刳がズレてしまっては元もこもありません。

その為、象りした刳をチュールに写しとる時加減して、刳を僅かにズラします。そうしておくことで、刳のチュールを地金に貼り付けた時に、象りした刳とピタッと合うことになるのです。

このさじ加減は、役者さんの顔の膨らみや形、おでこや頭の形で人それぞれ全て変わります。

まさに経験でしかできない、さじ加減なのです。

絞ることで刳が顔に沿う様に貼れたチュール

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