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みんなが夢想した「アレ」が来ているのかもしれない。

大人になるにつれ誰でも、大人になった知識や経験を持ったまま
青春時代や子供時代に戻ってやり直したい、みたいな夢想をしたのではないだろうか。

あるいは、遠慮のない同級生とのたわいない雑談の中で、「もし・・・だったら」という
禁断の果実の様な、幻想的夢想の話題の「アレ」のことである。


男なら、今の知識やテクニックを持って学生時代に戻り、女性を口説きたいとか、
ちょうど今活躍している、IT系や映像の知識や経験を学生時代に戻って、業界のトップランナーとして我が世の春を満喫したいとか、
スポーツなら最新のスポーツサイエンスや技術を持ったまま、高校野球をやり直したい、など、自分にとって都合の良い

「今の知識のまま子供に戻ってやり直す」と言う「アレ」がひょっとするときているのでは?
と思っている。

コロナ情勢下に禁断の果実に手を出すように


コロナ情勢下の今である。

吾輩は(今回はそういうキャラ)は、外出自粛の日々が続く中で、
元々子供時代から、実はインドアが好きだった内向的な人間だ。
今でも軽い運動をしにいく以外は、仕事も室内だし、趣味もインドア派だから、
外出自粛期間の初期は、今後制限されていく世界を想像して、ゲンナリしたことも正直言えばある。


さて、
吾輩の仕事の仲間たちの動向をみていると、室内で楽しく時間をつぶす(積極的行動ではないからあえて)手段として読書や漫画やDVDやネット動画は最初に来る。

次にゲームだ。ゲームにハマった子供時代よろしく、進化している現代のゲームはそりゃ楽しい。今まで時間が取れなかった楽しさを取り戻すかの様に、ゲーム生活に耽溺していく。


それも悪くない。家族や仲間や見ず知らずのネットユーザーとの新しいコミュニケーションが生まれて、それはむしろいい活動とも思う。

吾輩ですら、どうぶつの森をやるためにNINTENDO Switchの値段を日々眺めている。中古屋さんにも見に行った。
さらに言えば、プレステ4かSwitchかで大悩みしている。

室内のアクティビティとしては、さらにある。
zoomなどを使ったzoom飲み会、Youtubeを使った室内ヨガやフィットネストレーニング。

お酒は飲み過ぎるとアル中になってしまうので、控えめに楽しみながら、室内での運動は推奨すべきだと思う。
時間のつぶし方としては、最適な部類に入るだろう。

そんな風にして、コロナ情勢下の中、我々はゴールの見えないレースに突然参加させられ、
新しいルールの元、自由なココロを押し殺しながら。


『シン・ニホン』の著者 安宅和人さんも、こんな風に言っていて、
ウィズコロナ時代は、人間の身体性を取り戻す時代かもしれない、と。

コロナが長引けば、生存するための免疫力の強さやシンプルに体力の強さに差が出てくる。

心と身体は密接に繋がってもいるので、心から身体、身体から心を蝕んでいってしまうこともある。
何が言いたいかと言えば、現代人にとって人間本来の行動が制限されてくると、最終的には身体の強さや体力的な強さと若さが、ウイルスと対峙した時には有用な武器になっていく。

中途半端な知識は強い体力には敵わないのだ。

「今の知識のまま子供に戻ってやり直す」アレのこと

話を元に戻そう。

落合陽一さんや安宅和人の話を聞いていて、ひょっとすると大人の知識のまま家で過ごすというのは、かなり行動が制限されているので、子供の様な見え方や子供の様な好奇心を持つと、室内での世界が変わってくるのではないか?という仮説が芽生えてきたのだ。


男の関心や考えることなんて、ほとんど子供の頃と変わっていない。
おっさんになってからの趣味だって、食事やお酒、ゴルフ、アウトドアの趣味などは、経済的ゆとりに影響されるが、
ゲーム、漫画、DVD、くだらない噂話、女のこと、そして少し仕事のぐち、そんなもんだ。

身体や見た目、内臓だけは時間の経過に逆らえない、逆に言えばそれ以外は子供の頃とそんなに変わらないのだ。


その例として、
お金をかけて高いゲーム機やソフトを揃えられる。漫画を大人買いできる。
PCやスマホを使って、いろんなものにアクセスできるから、時間を潰すためのアイデアは豊富に調べられる。

お酒を飲むことだってずいぶん長けたものだ。
気に入った錫のタンブラーで、ビールやハイボールを飲むのもいいし、ワインの銘柄や味を調べて、
その日の料理や気分によって選ぶ知識もある。お酒に合う、料理を調べて作ることもできる。

家族がいれば、子供と一緒にゲームをやったり、ベランダにテントを張って、秘密基地よろしく敷地内キャンプを楽しめる。
ただ、クレームが入るので室内でのスモークはNGだ。


吾輩の過ごし方は、実はコロナ以前とあまり変わっていない。
仕事もある程度やるとその日の仕事は終わってしまうから、これは以前もそうで、不測の事態のためにフルで作業時間は入れてない。ぼーっとしている時間も多いし、本を読んだり、特に漫画やDVD(邦画)が仕事的にもかなり多い。
言い訳をすれば、頭脳労働なので、頻繁にインプットしていないと「途端につまらない仕事になる」から

必要な時間なのである。


変わったことと言えば、
サウナー旅人の吾輩がサウナに行けないこと(これが一番のストレス)。

以前より集中して本を読み通せる様になったこと、DVDも洋画を見る様になったこと。1日3本映画を観るという
(中谷彰宏さん的な過ごしかたをしているから、映像のシナリオもきっと書けるだろう)愚行をしているし、
室内トレーニングの時間も取れて、新しくヨガなんかもいいと思っている。

さらにストレスを食事や飲酒で解消するところが
あるから当たり前に太るし、それの対処として、体にいいからと理由つけして「ジュースクレンズ 」なるライトな
ファスティングにも挑戦している。(一度目は➖2.4kgという実績!
月末は、休日2日クレンズにチャレンジする予定だ。


書きながら振り返ってみても、まだ吾輩は子供時代にまで戻っていないが、
青年時代には戻れている気がする。その中身は。

読書や漫画、洋画の観賞、自分の内面と向き合うこと、自分の人生をこれからどう生きるか、
本当にやりたいことは何か、仕事は何のためにやるのか、自分にとって一緒に生活する家族の存在は、
家族の大切さ、なんとしても家族を守ること、仲間と一緒に時間を過ごすこと、夢や希望を持つこと、
自分に本当に向いている仕事は何か、仕事におけるストレスや人的ストレスって本当に要らんもの、
人でもモノでも現象でも趣味でも心が動く恋をすること、など。

そんな風に、内的思考に入っていくほど、青春時代に考えていたことと同じことが頭を占める。

仮説だてした、
冒頭の「今の知識のまま子供に戻ってやり直す」アレが、感覚的に感じられる様になってきた。

子供の頃、夢想した時間のこと

子供の頃、吾輩は遊びを開発する天才だった。
夜、外出の多い両親を3歳年上の兄と二人で長い夜の時間を待って過ごした。

ピアノに毛布を被せて「秘密基地だ」とささやいたり。※この遊びは結構一人でも続けたキン消し(キン肉マン消しゴム)でキン消し相撲をしたり、
マグネットにシールを貼り、その形に切り取って
鉄の板の上で指で弾いてサッカーをしたり。
※小学生の時にクラスで大流行して、教師に怒られ
一生懸命集めたコレクション(100体)を職員室で目の前でゴミ箱に捨てられた惨事を今も明確に覚えている

子供の頃に戻ったつもりになって、
そんな風に夢想するのだ。


ヨハン・ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』(遊戯人)の様に、遊戯(遊び)の中から、経済や法律が生まれたという説がある。
今、そのことを思いだしながら、今の知識のまま子供の頃の気持ちや発想に戻ることで
新しい何かが生み出せる様な気もしている。

大事なことはそこに繋がれるかだ。
クリエイティブの仕事を生業にする吾輩は、時と場合によって子供の時の気持ちに繋がることで
人の心に届くクリエイティブを生み出すことがある。
主にコピーライティングする時だ。


もう一度夢想からはじめる

色々と脱線してしまったが、最後に、
今のコロナによる外出自粛期間というのは、いつまで続くかわからないが、その期間やその時間の過ごし方が
その後の人生を決める大事な時間なのは間違いない様だ。

命をはって、我々の命を守って頂いている医療従事者の方がた、
社会インフラを守る物流やサービス・販売の方々・最新の情報を届けてくれる方々、に常に感謝と敬意を払いながら、

我々クリエイティブやWeb制作に携わる「新しい価値を生み出す」人たちは
もう一度、誰もが夢想した「アレ」に気づき、子供の気持ちに戻って、日々を見つめ直してみてはどうだろうか。


今日も空は青く、風が吹いている。
家族の用意してくれる食事は美味しいし、仲間との画面ごしの会話は楽しい。
我々は今日も生きている。明日も続けて生きていたい。
新しい日々の気持ちと新しい価値を作り、
新しい社会を作っていけるはずだ。


合わせて名言・格言を記す。
「我々は青春時代の救済に一生を費やす」
「才能は孤独のうちに為る」

そして、もっと今を楽しめる。
いや、もっと今を楽しくすることができる、と言い換えてもいい。

だから、
もっと今を大切に。今の時間だけが大事なのだ。


トキガラデザイン代表
一般社団法人Honmono協会ブランド統括
稲石 勝人

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