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歯科医から教わった人生訓

昔、通っていた歯科医院は、変わった面白い医院長先生がいました。


先生は、歯や健康に詳しいことはもちろんのこと、人生や世の中の摂理に対して自分独自の哲学を持っていました。それが治療方針や院内のいたるところに反映されているような感じです。



私にとってはですが、お坊さんのような歯科医。ちなみに坊主頭ではありませんよ(笑)。

もともと歯医者嫌いの私は、先生との会話が楽しみで最後までサボらずに通っていました。(今でも歯科治療自体は苦手ですが・・・)。



先生とは、大きな声ではなかなか言えない医療・歯科業界の裏側や、長い臨床経験から得た人間の治癒力と生体の神秘性、そして人生の教訓など、教えていただきました。


先生のお話の中で得に印象深かったのが、

人は痛い思いをしないと、行動しない


また、痛い思いをすると、行動するとも言っています。


「痛い」は、否応なしに現状が変わるサインでもあります。



「歯が痛くて眠れない!」レベルの患者は、
治療という「行動」をすぐに起こします。当たり前って言えば、当り前ですよね。


「歯が痛いかも?」レベルの患者だと、
治療よりも他の大切なことを優先してしまい、治療が先延ばしになる傾向にあります。


「歯に少し違和感があるかな?」レベルの患者だと、気のせいかな?最近忙しかったら、疲れているからそう感じるかも?となり、歯科医院に行く確率はぐっと減ります。


痛みのレベルで、歯科医院に行く時期が違ってきます。


歯科医としては、患者には「少し違和感があるかな?」の時期に、なるべく早く来院した方がいいかもしれませんが、先生は無理に「定期健診に来なさい」とは勧めません。定期健診のハガキも出さないそうです。


他人も自分の人生さえも、コントロールできない。


「自分が来たいときに、来るといいよ」と先生は、言ってくださいます。商売っ気はありません。「人は痛かったら(強い必要性を感じたら)、最後は行動するからね」と。


他の歯科医とは違って、転ばぬ先の杖であれこれと「将来のために~した方がいいよ」とか「早く治療しないと、将来大変なことになるよ」とか、不安を煽って無理に治療を勧めません。あくまでも患者の自主性というか、流れに任せているので、治療の売り込みもしません。珍しい個性的な先生です。


※ ※ ※

転ばぬ先の杖で、将来困らないようにと、私は今までいろんな知識を身につけてきました。その大半は、使っていなかたり、途中から陳腐なものとなったり、実は間違っていたとわかったり・・・。


転ばぬ先の杖の考え方で、人生の旅路のお供である私の旅行カバンはパンパンに膨れ上がっていたのでした。旅行カバンがすっごく重すぎて、私の人生ヨタヨタ歩きでした(笑)。

段々、中身がスリムになりつつある旅行カバン


強い必要性を感じた時に、必要なものだけを厳選して、旅行カバンに詰めて、軽快に人生を歩んでいけたらと思いました。


※ ※ ※

痛みがある時が、現状が変わる時


確かに「痛み」は苦痛なので、早くどうにかしたい!と誰もが行動すると思います。でも、強い痛みを感じる前(困窮する前)に、どうにかしたいのが人情ではないでしょうか?


そうは思っても、かすった程度の小っちゃい痛みだと、現状に甘んじてすぐに行動しなかったり、行動しても行動が続かなかったりします。余裕がある時期に、コンフォートゾーンから抜けるのは結構なエネルギーが要りますからね。だから、「痛み」という起爆剤が必要となってくるわけです。



ということは、「痛み」って、私たちが毛嫌いするような100%嫌なヤツじゃないってこと? 歯科医の先生は、それを言っていたのかな?


でも、やっぱり私は「痛い」「苦しい」「辛い」のは嫌だな。かといって、それを避けるための過剰な準備で余計なエネルギーを使いたくない。もう旅行カバンがパンパンになるの嫌!ヨタヨタ歩きもしたくない!


だったら、その時に起こる多少の痛みを感じてから、治療(行動)するしかないか・・・。無痛のまま、行動する自信ないしな。


あらら、開き直りかな?(笑)


今のうちから、ちょっと痛みを感じたら、
すぐに行動できるようフットワークを軽くしておこうっと。


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