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ネコばあちゃん。

【出逢い】


僕が、世界一大好きなばあちゃんが、死んだ。

そして、



ネコになって、帰ってきた。


~1年前~

そこは、とある病室。

ワタル「えーんえーん、」
ばあちゃん「泣いてばかりじゃだめだよ、ワタル」
ワタル「だってだって、フトシくん達がまた、ぼくの机に落書きしたんだ」

ばあちゃん「あらやだ!そしたらワタルの机が派手になって、楽しいわね〜」

ワタル「えーん、それにね、バカバカワタルのバーカっていつも、馬鹿にしてくるの。」

ばあちゃん「あらあら、それはきっとワタルが天才だから、羨んでるの。ワタルは、えらいのね〜。」

ワタル「ばあちゃん、ふざけないで」

ばあちゃん「あら、ばあちゃんがいつふざけたかしら?ばあちゃんはいつも本気!本気と書いてマジよ!」

と、ワタルのお鼻を人差し指でツンツンツンと三回はじきました。

ばあちゃん「ばあちゃんのおまじない、これでワタルは、強くなる。」

ワタル「ばあちゃんの、ツンツンツン大好き、ぼく、強くなれるかな?」

ばあちゃん「ワタル、優しさは強さ、優しい人は強いのよ」

ワタル「どういうこと?」

ばあちゃん「それは、ね、ワタル、、、、、ワタル、、、ワ、、タ、ル、、、、、」

ワタル「ばあちゃん?どうしたの?眠たいの?ばあちゃん、ねー返事してよ、ばあちゃん!?ばあちゃん!!」

ばあちゃんは、眠るように死んだんだ。

~1年後~

ワタルの部屋

向き合う、一人と一匹がいます。

ワタル「えっと、窓から入ってきたのかな?キミはどこの子かな?」

ネコ「みゃー」

ワタル「だよね。みゃーしか言えないもんな。」

ネコ「しかし、あれだねー、ネコになっちゃったね。」

ワタル「あ、あ、あ、あ、〇△‪✕‬□、、、」

ネコ「だよね〜。そうなっちゃうわよね〜。」

ワタル「お、かおか、おか、おかー!おとー!」
ネコ「あらやだ!お母さんお父さんにバレたらやばいわね〜。」

と、いきなり、ワタルに飛びつき!

ネコ「ワタル、おちつきなさい、私をみなさい!」

と、軽く顔をひっかき。

ワタル「へっ?」

と、ワタルがあっけにとられたその時、

ネコ「ワタル、」

と、ワタルのお鼻をツンツンツンと、爪で三回はじきました。

ワタル「それって、おまじない。まさか、ばあちゃんなの?なわけないか、だってネコだもんなー。」

ネコ「な〜に言ってるの、ばあちゃんよ!」

ワタル「うそだー!ばあちゃんは、死んだんだ。」

と、ワタルは悲しくなりました。

ネコ「うそじゃない!ばあちゃんはいつも本気!本気と書いてマジよ!」

ワタル「え、それって、ばあちゃんの口ぐせだった。」

ネコ「わたしは、あなたのばーちゃんよ。」

ワタル「ばーちゃんが、ネコに!?なななんで!?」

ネコ「なんでかね〜、もしかしたら、この世界に未練があるのかね〜。」

ワタル「ちょっと待ってよ、ネコばあちゃん!」

ネコばあちゃん「いいわね、そのネコばあちゃんっての(笑)」

ワタル「ふざけないでよ!なんで、どうして?」

ネコばあちゃん「また逢えた、どんな形であれ、それで充分じゃない?」

ワタル「う、うん。ばあちゃんにまた逢えた。ばあちゃんに逢えたよー。えーん。ネコだけど。」

ワタルは、ネコばあちゃんをギュっと抱きしめました。

ネコばあちゃん「さ、ワタル、ばあちゃんはきっとずっとこのままではいられない。」

ワタル「え、なんで?ずっとこのまま一緒に。」

ネコばあちゃん「なんだかそんな気がするの。ばあちゃんには時間がない。ワタル!いつまでもメソメソしてないで、いくわよ!」

ワタル「え、行くってどこに?」

ネコばあちゃん「学校よ!」

ワタル「あっ!そうだ!遅刻しちゃう!!」

と、慌てて家を飛び出し、学校へ行くワタルとネコばあちゃんです。さて、何故、ばあちゃんはネコになりワタルに逢いに来たの?ずっと一緒にはいられないのかな?
この続きはまた今度、
ワタル、そして、ネコばあちゃんの物語はつづくのです。


                                                                      つづく

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