常識をぶっ壊して世界を拡げる。
「JK、インドで常識ぶっ壊される」というすごく分かりやすいタイトルの本をAudibleで聞いている。
この本は著者である熊谷はるか氏が父親の転勤によってインドに引っ越し、現地生活で体験した出来事について綴られた本である。
日本とインドの違いについて、文化、宗教、生活など様々なテーマについて、JKという立場から捉えられている。著者の表現の仕方や捉え方がユニークで非常に面白い。
この本について、妻と少し話をしていたところ「カルチャーショックを受ける経験は人生のどこかで必要だよね」という結論になった。
人生のどこか なんてふんわりした書き方をしたけれど、具体的には高校生か大学生くらいのタイミングがよかろうという結論に達している。
あまりに幼いタイミングで異文化に触れても、ショックを感じる前(理解する前)に、順応したり許容してしまうかもしれない。早くに異文化に触れた方がよいけれど、”異文化”として認識できるようになるためには、ある程度の常識や自分なりのものの見方が出来上がってくる年齢≒高校生、大学生くらい ということになった。
私の妻は大学生の頃にタイに数か月間ホームステイをしていたらしく、様々なカルチャーショックを経験したと話してくれた。
私自身も大学1年の春休みに初めての海外旅行で訪れたエジプトで様々なカルチャーショックを経験した。
路上に溢れる物売りや物乞いにどう対応するか本当に頭を抱えて悩んだし、車線を無視して道路に流れ込む車列にも衝撃を受けた。
長距離バスで隣に座ったエジプト人のおじさんから「日本はなぜアラブ諸国と連携してアメリカと戦争をしないのか」と切々と説かれたときには返答に困ってしまったし、そんなエジプト人は大昔に放送されていた「おしん」というNHKドラマを見て日本人に対してすごくポジティブな印象を持っていることにも驚かされた。
マクドナルドが三ツ星レストラン扱いだったことも衝撃だったけれど、それ以上に反戦デモに遭遇したときにも衝撃を受けた。(私が渡航したのは2003年3月でイラク戦争が始まる直前だった。)
異文化に触れるということは、自分の世界を拡げるきっかけになる。また自分とは異なる常識を持った世界に踏み入れることは、自分がそれまで当たり前だと感じていたことに対して疑問を抱くきっかけにもなり、自分自身に対する疑問を抱いたり、内省する機会と視点が増える。
異文化を受け入れるかどうかは自分が決めればいい。
日本文化が全てに勝っているわけではないし、かといって他国の文化の方が優れているわけではない。
様々な考え方がある中で、自分は何を大切にしたいのか。それはどうしてか。
異文化に触れるために、何も国を越える必要もない。
隣の家族は我が家と違う当たり前の基準を持っているだろうし、違う会社、違う世代、違う県民、他の誰か。みんな当たり前に異なる文化や信念、信条を持っている。
何も誰も否定する必要はない。ただ、在るものを認めること、自分にとって大切なものを見極めること。同様に他の人が大切にしていること、その考え自体を認めること。その繰り返しで世界は拡がっていく。
教科書やインターネットで、異なる文化についての知識は得られるかもしれないけれど、実際に目で見て、耳で聞いて、鼻で嗅いで、舌で味わって、身体で触れた経験に勝るものはない。
こういうご時世だけれど、どんどん旅に出たいな。出て欲しいな。
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