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一夜にしてキャリアが動き出した話

昨日のnoteで、これまでの私の「働く」について、振り返ってみた。

学生時代に経験した、公文の先生のアルバイトから始まり、
新卒で働いたベンチャー企業、
ワーキングホリデー先での飲食店のアルバイト、
帰国後に契約社員として働いた採用アウトソーサーの仕事、
前職でのメガベンチャーでの人事の仕事、
そしてフリーランスとしての現在の仕事。

20年弱の間で、色々な機会があったし、その中で働くことに対する自分自身の考え方もずいぶん変わったと思う。

最初は、生活の糧を得ることが働くことの主な理由だった。
しかしだんだんと、経験を積むことやスキルを得ることの重要度が上がり、さらに、自分が持っている能力や知識といったものが、どこでなら役に立ちそうなのか、そんなことを考えるようになった。

これらのことは、就活だったり、転職だったりの転機のタイミングで考えてきたというわけではなく、今振り返ってみると、そういう感じだったな という感想のようなものだ。


私はどちらかというと、これまで明確なキャリアビジョン(〇〇年以内に△△を実現する)みたいなものは持ち合わせておらず、目の前にある"なんとなく面白そう"を追いかけてきただけのような気がする。

それらは、偶然のきっかけだったり、ちょっとした衝動的なものだったり、時には選択肢が他になくて・・・ということもあったけれど、いずれにしても流れの中でそうなった という感じがする。


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そんな私にとって、今でもよく覚えているキャリアの転機がある。

大学4年生で就職活動をしていた時のことだ。

私は、明確に就きたい仕事や入りたい会社が見つけられずに、周りの同期が内定をもらって就職活動を終了させていく中で、けっこう遅くまで就職活動をしていた。

なんとなく実家がある大阪での就職を考えていたのだけれど、何社か興味を惹かれた企業があって、ある時、東京に足を延ばした。

東京には小学校時代からの友人がいたので、数日の間、友人の家に泊めてもらうことにした。

その友人は、従業員4人という創業まもないスタートアップで新卒入社して働いていた。
友人は、私の就職活動の話をしているときに「うちの社長に会ってみる?」と誘ってくれた。
私はそれまで 社長 という肩書の人と直接話したことがなかったので、よい機会だと思って会わせてもらうことにした。

社長「どんなところ(業界、企業)見てるの?」
私「今は人材系のベンチャーを中心に見てます」
社長「そうなんだ。シェアメイトが人材系のプロだから、絶対に会った方がいいよ。今度うちに遊びにおいで」
私「まじすか、行きます」

おぼろげな記憶に残る社長との会話

こんな簡単なやりとりで、会ったばかりの社長の家に遊びに行くことになった。

社長のシェアメイトは、ちょっと目つきが鋭いけれど、ニカっと笑うイケメンだった。
就職活動のことや、自分のバックグラウンドのことなど、お酒をまじえながらあれやこれやと話した。

「それなら、うちの会社を受けた方がええよ。来週説明会あるからおいで」
「わかりました、行きます」

ほろ酔いで話した"人材のプロ"との会話


友人に頼んで、もうしばらく滞在させてもらうことにした。
友人宅は1Kのマンションで、決して広いわけではなかったけれど、職場に泊まって帰らない日も珍しくなかったので、大きな問題ではなかったようだ。
#最終的に1か月くらい滞在した


飲み会の軽いノリで参加することになった、説明会。
今となっては内容は全く覚えていないけれど、説明会を進行していたのは1年目の社員で、少し頼りなさげなところはあったけれど、人の良さそうな感じと、ちょっとだけぶっ飛んでそうなところに妙な魅力を感じた。



その後、私はその企業の選考を受けて、最終的に入社することになる。

こんなノリと勢いでご縁が生まれた企業だけれど、社会人としての基礎をたくさん学ばせてもらった。
誠実であること。
ユーモアを大事にすること。
時々はトラになること。
ごめんなさいとありがとうは出来るだけ早い方がいいこと。
気が付いた時が間に合う時だということ。

働くうえで、大切なマインドセットみたいなことは全てこの会社で教わった。


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たまたま就活サイトで気になった企業が東京にあったから
東京に友人がいて滞在費を抑えられたから
たまたま友人がベンチャーで働いていたから
社長に会わせてくれたから
社長がシェアメイトにつないでくれたから
シェアメイトが説明会に呼んでくれたから
それら全てに軽いノリで足を運んだから。

ざっと見繕っても、これだけの偶然とか幸運があったから、私の最初のキャリアは開かれたのだと思う。同時に、深く考えずに行動したことが功を奏したのかもしれない。

もし最初の一歩が違っていたら、今こうしてフリーランスになっていなかったのかもしれない。たられば を考えたり比較することに意味は無いけれど、ほんのわずかな違いが、10年、20年と長い年月の間に大きな差を生むことはあり得る。

そう考えると、
人生を変えるきっかけなんて、そこら中に転がっているのかもしれない。

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