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環境を受け入れること、諦めること

散歩に出るとキンモクセイの甘い匂いが香る季節になってきましたね。
季節としては夏が好きなのだけれど、秋のキンモクセイの香りと初夏のクチナシの香りが何とも言えず好きで、いたずらに外をうろうろと歩き回ってしまいます。


さて、今日は最近あたまの中でぼんやりと考えていることについて。

個人の行動が世の中を変えてしまうようなインパクトを与えるというような出来事が目に留まることがある。

遠い外国の貧困問題に取り組んでいる人。難民問題に取り組んでいる人。
SDGsに関する諸問題に取り組んでいる人。国政に対して声を上げる人。

社会問題へのアプローチだけではなくて、部活の練習の質をこうじょうさせるために著名な監督やコーチにコンタクトして教えを請う人。
趣味を突き詰めた結果、何百万というフォロワーが生まれ、社会現象を引き起こす人。

行動のスタンス、アプローチ、結果は人それぞれだけれど、個人が始めた行動が社会に影響を与え、動かしてしまうというような光景を度々目にすることがある。

たまたまバズったというケースもあるだろうけれど、何かしらの社会課題に対してアプローチしているような人の場合は、ラッキーパンチが当たったというよりは地道な努力の積み重ねがそこにはある。

裏を返せば、何かしらの課題を解決する と目標を立ててその達成のために行動をしたという事になる。

このような人たちに対して、ただただ凄いと思うと同時に、自分とは別次元での思考を持っている人たちなのだとも思ってしまう。


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私事になってしまうのだけれど、子供の頃から諦めグセがついてしまっていて、自分が社会を変えるなんてことがどうにも想像できない。

そう思うようになったのには理由がある。

私の父は転勤族で、幼い頃から何度も引っ越しを繰り返していた。私の生まれは大阪だが、父の転勤に応じて岡山、兵庫、千葉、大阪とあっちへこっちへ。

一番影響が大きく感じられたのは、小学校時代の転校だった。
小学校4年生から5年生に上がる春休みに転校した。

運が悪かったというか、転校先の小学校に私はあまり馴染めなかった。
運動も勉強もそれなりに出来る方だったし、何より負けず嫌いで気が強かったこともあり、いじめられたりしたことはないのだけれど、それでも学校やクラスメートの雰囲気に全くと言っていいほど馴染めず、転校してしばらくは「何で転校なんかしないといけなかったのか」と考えても仕方がないようなことが頭に浮かんでは消え、憂鬱に過ごす日々が続いていた。


恐らくこのときに、自分がどれだけ抗いたいと思っても、自分の力ではどうにもならないことがあると悟ってしまった・・・というか、社会というのはそういう仕組みなのだと思い込んでしまったように思う。

それから後の私は、与えられたルールの中でいかにうまくやるかということばかりを考えるようになった。

環境や社会の仕組みは変えられないから、現在のルールの中でどうやったらうまくいくか。周りの人より優位に立てるか、自分のベネフィットを最大化できるか。そんな風に考えて、物事に取り組んできた気がする。


置かれた場所で咲きなさい

そんな言葉があるけれど、自ずとそんな考えが身に沁みついているように思う。


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確かに、自分以外の何かを変えるには大きな労力が必要となるし、労力をかけたとて変化を起こせるかどうかは確約されていない。したがって、環境に働きかけるよりも自分自信を適応させようと労力を割く方がコスパがいいかもしれない。


しかし、世の中には軽々と仕組みを変えゲームチェンジていく人達が表れる。

先ほど、環境を変えるには労力がかかると書いたし、それは事実だと思う。
しかし、”変えられないもの”と決め込んで諦めるよりは、変えられる可能性はどの程度か?と前提条件を確認した上で、どこに優先的にアプローチするかを考える方が、合理的なアプローチだと思う。


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そんな私も最近少しずつ、考えが変わってきた。

現在、キャリアコンサルタントとして個人の「働く」に関する課題やお悩みなどのご相談をお伺いして、状況を整理したり、時にアドバイスを行いながら、伴走したり解決に向けて後押ししたりしている。

この活動自体に非常にやりがいを感じているし、楽しくもある。
そこに加えて、個人の働くを解決しまくった先に、何が待ち受けているのだろう?とうすらぼんやり考え始めている。

例えば、
働くに対するお悩みを解決した結果、前向きに仕事に取り組む人が増えてGDPが爆増する?
働くを通じて自己実現をする人が増えて、様々な素晴らしい商品やアイデアが現実化する?
仕事がうまくいって、家庭生活が充実して、出生率が増える?

キャリアコンサルティングの先にどのようなインパクトがあるのか、まだ答えは見つかっていない。それでも、何か大きな課題解決にアプローチできるのではないかと、そんな妄想が徐々に徐々に膨らみ始めている。

凝り固まった固定概念というのは中々変えることは難しいけれど、今はまさに思考が変化しつつある過渡期のようなタイミングなのかもしれない。







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