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ジョブ型とメンバーシップ型 採用に対する考え方が違うのか?(疑問)

昨日、自分で書いたこのnoteのことを考えながら、一日モヤっとしていた。

要約すると、
ある募集職種があったとして、その職種に対して、高すぎる能力を持った候補者が現れた際に、どのように検討するか?ということだ。

よくある落としどころとしては、候補者の能力に見合った、上位職種での採用の可能性について検討したり、候補者側に打診をするというところだ。

しかし、稀に「上位職は希望しない」という候補者が現れるケースがある。
その場合には、優秀な候補者が見つかってラッキー と捉えて採用するのか、候補者のキャリアや組織バランスのことを考えて慎重に判断するのか、非常に悩ましい決断を迫られる。

というようなことを書いた。

私は前職で10年近く人事部に所属していたのだけれど、そのうち約5年くらいは中途採用の採用担当を行っていた。

前職では、いわゆる"ジョブ型"の採用を行っている組織だった。
採用だけではなく、昇進や昇格(まれに降格)などを含めた組織構成も完全なジョブ型だった。

例えば、
翌年度の予算計画を考えるときに、下記のようなプロセスで考える
・部署としての目標を設定し、
・目標達成のために必要な組織図を作り、
・役職や担当ごとの責任範囲を明確に定義する
・既存の社員でまかなえれば、役割に対して個人を割り当てる
・社員が不足していれば、外部採用や社内での異動者を募る

もちろん、会社としてのビジネスは新規で生み出されるものもあるが、ほとんどは既存(現在)の延長にあるため、毎年毎年 全ての部署が上記のようなことをゼロから行うわけではないし、個人の役割が毎年変わるというようなこともない。

ポイントは、
役割ごとの責任範囲や業務内容が明確に定義されている という点だ

したがって、
外部採用を行う際には、募集職種に対して、必要な能力や経験を有しているかどうか という点が、最大のポイントとなる。
原則として、候補者の得手不得手に合わせて、職務を大幅に調整するということは行わない。(もちろん、上司やチームでサポート体制に柔軟性をもたせる)

こういった考え方に慣れていたので、
"オーバースペックの候補者に対してどう対応するか”という疑問や対応方法が生まれているのだと思う。


これがメンバーシップ型の組織であったらどうだろうか?
もう10年もジョブ型組織にいたので、メンバーシップ型がどのような組織作りや業務設計を行っているのか、いまいち理解できていない。

この点が、今日ずっとモヤモヤしていた点だ。


メンバーシップ型での、キャリア(中途)採用については何となくピンとこない部分がある。

中途採用というのは、第二新卒なんかを除けば、基本的には経験者(専門職)という位置づけだと認識していた。

すなわち、どれだけの専門技能や知識を有しているか?という点が重要視されると考えていたのだが、人に合わせて職務や責任範囲にフレキシビリティを持たせられるとなると、何を採用基準とするのだろうか。カルチャーフィットだろうか。或いは、ポテンシャルか。

もし、そういう基準での採用ということであれば、フレームとしては、新卒採用と近い部分がある。

求人広告などを見ている限りでは、どの企業もある程度具体的な業務内容や募集要項が掲載されている。というか、基本的には募集広告に謳った内容で採用しなければならない。(細かい法令のお話については、今日は割愛します)

にも関わらず、業務範囲にフレキシビリティを持たせる・・・うーん、考えれば考えるほど泥沼にはまっているような気がする。
今度、誰かに聞いてみよう。




ちなみに、
メンバーシップ型の醍醐味と言えば、
真の意味でのゼネラリスト育成にあると考えている。
営業から人事、人事から財務といったような、完全な畑違いの職種に転換しながら、何十年もかけながら、ゼネラリストを育成する。

もちろん、すべての社員をゼネラリストに育成するわけではない。
途中の段階で、いずれかの専門分野に腰を落ち着ける人の割合が増えていく。

ジョブ型組織の場合は、
人事の中で、採用から労務、制度、研修といった多職種に異動することはあるが、会社側からの辞令によって、まったくの異職種に異動させるということはまずない。もちろん、社内公募制など本人の希望によってキャリアチェンジできる仕組みを持つ企業などもあるが、原則としては、人事であれば、人事。営業であれば、営業といった大枠の中でステップアップを目指す。


最近、ジョブ型 / メンバーシップ型という対比を見かけますが、思っていた以上に深いテーマなのかもしれない。
ちょっと勉強不足なので、情報収集が必要だ。

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