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「キャリア」という言葉と本音

良くも悪くも恵まれたIT企業に、私は社会人1年目から勤めている。最近、キャリアについて上司と面談するようなプログラムが生まれ、キャリア面談なるものも全社企画として実施されている。

でもどうにもモヤっとするんです。
キャリアキャリアって。

キャリアって、なんなん。

20代の中盤から後半にかけてだろうか。「5年後どうなりたいの?」「10年後どうなりたいの?」と評価のたびに問われていた時期がある。2010年前後かな。

当時の私は突っぱねていた。知らない!わからない!私は本当にわからなかった。そしてわからないことをそのまま部長クラスにまで包み隠すこともなく伝えていた。若気の至りでもあるが、当時は本当に微かな閃きすら浮かばずにいた。

私は生粋の女性である。結婚できるかどうかも、子供ができるかどうかもわからないじゃない。でも夢は見たいじゃない。明確な何年後っていう区切りが不確かな人生を女性はずっと生きている。曖昧で、明日以降のビジョンなんてびっくりするくらいぼんやりとする。先輩たちからかけられる言葉の中には「いつ辞める?」と案に言われている気がして、当時は仕事も人も大好きなのに、気は極端に滅入っていた。

当時勤めていたチームは30人中2人しか女性がいない。男子校の雰囲気で、ロールモデルもいなかった。自分の中にある理想の自分はあるのだけれどそれすら全然追いつかなくて、悔しくて、突然涙がポロポロ溢れる。

私の中のニュアンスでは、キャリアって積まれた後のものなんだよなあ。だから多分、しっくりこない。「目指したいものや姿」と「その先の部分」もひっくるめてキャリアと言われると「ん?」ってなる。

見えない部分はキャリアじゃないやんって。どんなキャリアを築きたいかってその言葉自体はいまだに抵抗感がある。

どんなキャリアを積みたいかと言われたら、今もやっぱり何もない。育児も、仕事も、美容のことも、それぞれで目指したいゴールに向かって突き進むしかないし、とはいえ結局何が起こるかもわからない。壁があったら乗り越えるしかないしやさ。

でも後から振り返った時に、色々積み上げてきたんやなあって、いい景色を眺める登山後のような清々しさは感じたいかな、と思う。それが私にとって憧れるキャリアやなあって、思う。

最近お気に入りの靴。子供とのピクニックにて。

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