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個展「言葉のないメッセージ」展を振り返ります!

 久々の投稿になりましたが、みなさまお変わりありませんか?

 4月から6月にかけて、カトウマキ個展「言葉のないメッセージ」を開催し、無事に終了することが出来ました。今日はその振り返りをしていきたいと思います。

まずは、個展の概要から。
今回の個展は今までの展示とは違い、3ヶ月間という超ロングスパンでの開催、そして、1ケ月に一度展示入れ替えを行いました。


○カトウマキ個展「言葉のないメッセージ」
・期間:2023年4月5日(水)〜6月29日(木)
1st period 2023.4/5-4/30 「庭に咲く花」
2nd period 2023.5/1-6/1 「空き地に生えた雑草」
3rd period 2023.6/2-6/29 「雑草の住処」
・会場:しずぎんギャラリー四季常設ミニギャラリー
・問い合わせ:katomaki.zasso@gmail.com
・コンセプト:15年前にボタニカルアートを描き始め、徐々に空き地などに生える雑草へ目がいくように…現在は、植物を写実的に描けることを活かし、「雑草」をテーマに現代アートのフィールドで活動を続けています。
雑草は自然界の入り口に存在しつつ、人間の生活の側で生息しているため、「人々に何かメッセージを届けているのではないか?」と私は考えます。
今回15年という節目において、これまでの作品を振り返るとともに言葉を発しない雑草や植物たちからのメッセージに耳を傾け、3会期にわけて展示を行います。

4月「庭に咲く花」 展示風景   (photo:Ayako Ishikawa)
5月「空き地に生えた雑草」展示風景   (photo:Ayako Ishikawa)
6月「雑草の住処」展示風景   (photo:Ayako Ishikawa)

 では、振り返っていきます!
 □全期間で気をつけたことは、”動き”がある展示を心がけたこと。
会場は通路の一角の壁面に展示スペースがあり、展示の目の前はトイレもあり、なかなか難しい場所だなと展示前から感じていました。そこで訪れた人に見てもらうためには、目を引く展示にしなければならないと、とにかく”動き”が出るように工夫しました。普段は大きめの作品を二段で展示したりはしませんが、今回はあえてそのようにしたり、イーゼルも活用、また少し高いところに展示するなど、とても考え展示を行いました。

 □4月「庭に咲く花」
 今回は植物を描き始めて15年という節目から、10年以上前の作品も展示しました。4月のタイトルは「庭に咲く花」ということで、お花屋さんにあるような植物を展示しましたが、そもそも10年以上前の作品を展示するというのは恥ずかしさもありました。また、今ではすっかり雑草ばかり描いているため、このような植物を描かなくなっています。そのため過去の自分と今の自分とに乖離があるなと感じました。乖離というか変化なのでしょうか。額装も、今では使わないような額(例えば有彩色の額やマットも黒色を選んだり)を使っていたりと、とにかく4月の展示は、今の私にとって居心地が悪く感じました(汗)。ただ、今の私は雑草のイメージがあるのか、鑑賞者の皆様には新鮮に映ったようで良かったと感じています。
 そして、富士の山ビエンナーレ2016で静岡市清水区蒲原にある旧五十嵐邸で発表した作品も併せて展示しました。これはカトウマキとして、そして、現代アートのフィールドで初めて出展した作品になります。制作は旧五十嵐邸を守り管理する女性たちへインタビューを重ね出来上がった、とても思い出深い作品。この作品を展示できたのは、個人的に嬉しかったです。


□5月「空き地に生えた雑草」
 5月の展示は雑草を中心に展示を行ったため、4月のような心のざわつきは無かったです(笑)。UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川や、亀山トリエンナーレで展示した作品、そして、東京への違和感を雑草を通して見つめた作品や、コロナ禍で雑草たちは変化するのだろうか?という目線で描き続けている作品を展示しました。
 作品からも思うことですが、4月で展示した園芸種より雑草の方が華やかさはないと感じます。でも、友達から”気持ちが凹んでいたんだけど、雑草たちに力を分けてもらいました”と話がありました。雑草はいつも身近にいる分、例えば家族のようにいつも側にいる人たちと同じように、たまに面倒だと思ってしまうけど、でもやっぱり支えられ癒しを与えてくれる存在なのかもしれないなと思いました。また、私の作品から力をもらえましたとか癒されましたなど、そう感じてもらえるのはとても嬉しいことです。以前、私の作品を見ると涙が出そうだとおしゃってくださる方もいらっしゃいました。誰かの心に近づく作品を描けるようになったかなと思うと、これまで頑張って描き続けてきて良かったなと思います。

□6月「雑草の住処」
 「雑草の住処」はこれからも、描き続けていきたい作品です。(去年の4月に作品コンセプトなど記載していますので、良かったら下記の投稿をご覧ください。)

この作品に併せて、「雑草の住処」を作るきっかけとなった作品である富士の山ビエンナーレ2018で発表した絵も併せて展示しました。この2つの作品を作るにあたり、多くのアドバイスをくださった先生となる方が観にきてくださり、今回もご意見をくださってとても有難かったです。その言葉は、スッと心に届くように入ってきたのですが、きっとそれは、先生が私のことを理解しているからこそ話してくださった訳で、本当に嬉しかったです。これからも、作り続けていきます!

□お花屋さんのお花もいい!
 4月の展示は違和感があったと書きましたが、あれから日が経ち、だんだん思うことがあります。それは人が大事に育てた植物もいいなということ。誰かが大切に育てた植物を描くということは、その誰かの思いを違う形で表現することに繋がるんじゃ無いかと気づいたのです。雑草は自然からのメッセージを届けているのでは無いかと考え描いていますが、人が育てた植物を描くことは、人が心から思うメッセージを届けるために描くのかもしれないなと、そんな風に考えるようになりました。(そのため、少しずつですがここのところ雑草以外の植物も描くようになっています。)

□トークイベントを開催しました!
 SPAC俳優である本多麻紀さんをゲストにお迎えし、「表現することに植物はどう関わるのか?」というテーマで対談を行いました。麻紀さんから演劇の中で植物をイメージしながら演じることがあるという話であったり、私からタンポポなどを例にあげ、植物も演じることがあるのではないか?といったことに触れながらお話ししました。植物は演劇という表現の中でも、こんな風に取り入れられるんだなととても新鮮でした!また、他にも麻紀さんの話がとても面白く、参加してくださった皆さまも楽しまれたご様子で、開催して良かったと感じています!麻紀さん、ご参加くださった皆様、ありがとうございました!そして快く会場を使わせて下さったflowery cafe cachetteさん、色んなワガママを叶えてくださりありがとうございました!


 □個展に多くの方がご来場くださいました!
ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!展示入れ替えごとにいらしてくださる方もいたり、実家近くのご近所の皆さまも来てくださったり、一番驚いたのは、一度もお会いしたことがない祖母のいとこの方が来てくださったこと。
お越しくださった皆様に心から感謝ですし、来てくださりとても嬉しいです!!ありがとうございました!!

□最後に…
 しずぎんギャラリー四季静岡さんに、大変お世話になりました!疑問点などあったときいつも丁寧にお応えくださったり、細かなところで多々フォローしてくださったりと、心強かったです!ありがとうございました!!
 またいつものように、家族の協力がありこの展示も無事に終了することが出来ました。家族にも感謝です!
 それでは皆様、今後も制作活動を続けていきますので、また私の作品を個展などでご覧くださると幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします^^

 この投稿をご覧になった皆さま、こんなに長い文を(汗)最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!


富士の山ビエンナーレ2016での出展作品 (photo:Ayako Ishikawa)



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