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国民民主党は「与党の補完勢力」ではない

こんにちは、そろそろクーラーがないとキツイと感じる渡邉坊です。

今回は表題の通り国民民主党は「与党の補完勢力」ではないということについて、見解を述べてまいりたいと思います。

反対ばかりの野党

まず前提として、国民民主党としての立脚点は、「反対ばかりの野党」からの脱却にあるかと思います。

自民党の足を引っ張るだけの、立憲・共産党。
結果として国会は停滞し、憲法論議も妨げられているという側面も否めないと思います。

昨日、立憲民主党が提出した内閣不信任案によって、
今国会、最後の憲法審査会が行われなかったということもあります。

確かに、「反対ばかりの野党」によって国政は停滞しているようにも見られますし、この流れに抗い、新しい野党像を模索する国民民主党の存在は、我が国の政治において、必要不可欠であると考えられるとも思います。

「自民党の補完勢力」批判

しかし当然ながら、この国民民主党に対しても、批判意見というものがあります。国民民主党は、与党予算案に賛成したり、内閣不信任案に反対(結果的な岸田内閣の信任)をしたり、従来の「反対ばかりの野党」には見られない、画期的なアプローチを見せています。


いわゆる左派野党(立憲・共産党)の支持者の多くは、この国民民主党の動きを「補完勢力」であるとか、「自民党寄り」であるとか、批判を行っています。

これに対して、国民民主党所属の政治家や、その支持者は当然ながら反発し、これらの批判を一蹴しております。

「国民の補完勢力」

その際、国民民主党の議員や支持者がよく用いる理屈として、国民民主党は「与党の補完勢力」ではなく、「国民の補完勢力」であるというものがあります。

与党とか野党とか関係なく、政策実現に最も近い道を模索し、理念、政策を実現していくという考えでもあり、これは、停滞する国会を動かすという意味において、多くの支持者から共鳴を受ける考え方です。

確かに、いわゆる「古い野党」のせいで停滞する国会を前に進めるという意味で、この考えは野党として新しく、素晴らしいとも思えますが、果たして実際、どうなのでしょうか?

政策実現の近道は、自民党へのアプローチ

まず、現実的に政策実現をする中で、その近道を考えれば、現在与党である自民党に働きかけるのが、合理的かつ迅速に思えます。

なぜならば、先述の通り、立憲民主党はその力を持たないからです、
現在の野党第一党たる立憲民主党は、まさに「反対ばかり」の姿勢を隠すことなく、議席の上でも自民党に及ばず、政権交代が起きるという期待感も持たれていないからです。

当面、政権交代が起こる可能性は現実的には低く、現野党第一党たる立憲民主党、ないしは日本維新の会に働きかけたとしても、数の上で法案を可決に持ち込みことは、まさしく現実的ではないということです。

法案自体は出せるでしょうが、それを可決に持ち込むとなると、なかなかに難しい状況にあります。
よって、野党に対する働きかけではなくて、現在政権運営を行っている自民党にアプローチするほうが、きわめて合理的であるというわけです。

国民民主党、自民党との政策協議入り

さて、その結果として国民民主党は、自民党との政策協議入りに参加するなどのアプローチを見せるわけですが、なぜ、自民党はこの国民民主党の動きを歓迎するのでしょうか?

それは簡単です、国民民主党のこの動きは、自民党にとっての利益となるからです。
当たり前ですが、自民党の不利益になるにもかかわらず、国民民主党の動きを歓迎するということなど、あり得ません。
その裏には、自民党の利益があればこそ、この動きを歓迎をしているのです。

自民支配を脅かす選択を、自民党は選ばない

政権与党自民党としては、自民党による支配を継続したいという腹があります。
かつて、何度か非自民の政党によって政権交代が起きましたが、自民党としてはそういう状況を避けて、自民党が与党に居座り続けたいという打算があります。

そのうえで、国民民主党との接触が自民党支配を脅かす可能性があるのだとすれば、自民党がそこに乗るということはあり得ないということなのです。あくまでも、自民党支配を脅かさない範疇において、国民民主の考えの一部を実現し、国民民主党に花を持たせるということはあっても、自民党支配を脅かす可能性が現実的であるならば、その国民民主党の提案は取り入れないということになります。

つまりは、生かさず殺さずの中で、国民民主党に花を持たせつつ、根っこの部分は提案を取り入れず自民党支配の基盤を固めるというのが、自民党へのアプローチにおいては、避けることができない構造というわけです。

結果、国民民主党の動きは制約される

この構造の中で、国民民主党が政策実現を図る場合に、自民党の機嫌を損ねてはならないという要素が出てきます。自民党の機嫌を損ねてしまえば、政策実現を真面目に取り合ってもくれなくなりますし、それでは「提案型野党」としての新しい姿も発揮することはできません。

国民民主党は、与党予算案賛成や、内閣不信任案反対という道を選んだわけですが、これは実のところ、国民民主党自身の主体的な選択ではなく、政策実現を餌として、自民党に制約された選択であるという結果の「受動的な選択」であった可能性もあります。

政策実現はしたいが、自民党支配を突き崩すものは取り入れられない、自民党支配を突き崩すような動きを見せれば、政策実現が図れないという負の連鎖に取り込まれて、結果として自民党支配は盤石となり、政権交代はますます遠のくという状況にあります。

しかし、それでも……

しかしそれでも、国民民主党の議員や支持者が、自民党入りを意図して積極的にこれを画策しているというわけでもなく、あくまでも純粋に、国民のための政策実現を目指しているということに変わりはありません。

しかしそれと同時に、いくら意図としては自民党に取り込まれないというものであったとしても、自民党への働きかけ自体が、構造的に国民民主党の動きを制約しうることも、また確かなのです。

国民民主党、存続の危機

「国民民主党は国民の補完勢力だ」とか、「国民民主党は自民党の補完勢力ではない」と断定するのは簡単です。

しかしながら、実際に国民民主党が自民党に取り込まれている状況の中で、その可能性に全く目を向けずに、頭から国民民主党への「補完勢力」批判を遮断するということであれば、自民党に取り込まれることを食い止めるために必要なメタ認知を持てないということになります。

その危うさを自覚しているならば、コントロールもできるかもしれないですが、その自覚すらないということであれば、気づかないままに自民党に取り込まれているということもあり得ない話ではないのです。

それは結果として、国民民主党の党としての存在理由を喪失させ、立憲民主党との合流から守った国民民主党の存続を、脅かすことにもなるかと思います。

私とすれば、立憲民主党との合流協議の際よりも、その危険性は極めて高いと見ています。なぜならば、自民党は立憲民主党以上に大規模な政党であるからです、大きければ大きいほど、国民民主党が行使できる影響力も相対的に弱くなりますし、理念の実現は難しいということになります。

国民民主党はなくなるとか揶揄したいわけでも、冷笑したいわけでもなく、立憲民主党との合流協議の際に抱いた同じ危機感を以て、この状況の危うさを、明確に申し上げたいと思います。

以上、私の見解となります。

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