歌詞語彙辞典 #16
『風』
●カウント数 1152
●最多出現ワード
★1位 「行く/ゆく」 合計 19カウント
・「行け」4カウント
・「行かなきゃ」「行こう」各3カウント
・「行かねえか?」「行く」「行こうぜ」各2カウント
・「ゆくぜ」「行きゃあ」「行こう」各1カウント
★2位 「俺/オレ/おれ」 合計18カウント
・「俺の」「俺は」各6カウント
・「俺を」「おれが」各2カウント
・「オレは」「オレが」各1カウント
★2位 「存在」 18カウント
★4位 「ああ」 17カウント
★5位 「生きる」 合計16カウント
・「生きて」3カウント
・「生きなきゃ」「生き抜いて」各2カウント
・「生き方に」「生き様が」「生きていく」「生きてみたい」「生きてみてぇ」「生き長らえても」「生きられぬ」「生きる」「生きるのさ」各1カウント
★5位 「見」 合計16カウント
・「見せて」3カウント
・「見上げてえな」「見つめて」「みてごらん」各2カウント
・「見える」「見せろよ」「見つけたよ」「見つけてえんだ」「見なれてる」「見ぬ」「見ろよ」各1カウント
★7位 「in/my/life」 各12カウント
★7位 「あいだ」 合計12カウント
・「あいだに」8カウント
・「あいだ」4カウント
★9位 「歩」 合計11カウント
・「歩み」3カウント
・「歩いた」「歩いたんだ」「歩いてた」「歩いてゆくぜ」「歩かざるを」「歩きだすぜ」「歩くのは」「歩こうよ」各1カウント
★9位 「出かけよう」 11カウント
★9位 「夜」 合計11カウント
・「夜と」8カウント
・「夜空を」2カウント
・「夜中」1カウント
その後に
・10カウント 「いい」「こと/事」「人間って」「何だ」「人」「また」
各内訳
・「いいぜ」5カウント
・「いいのかい」3カウント
・「いい」2カウント
・「ことさ」3カウント
・「こと」「事」各2カウント
・「ことだ」「ことって」「ことに」各1カウント
・「人」5カウント
・「人の」2カウント
・「ヒトよ」「人にゃあ」「人達も」各1カウント
・9カウント 「朝」「友」「もの」「ように」
各内訳
・「朝の」8カウント
・「朝だ」1カウント
・「友よ」5カウント
・「友へ」2カウント
・「友達が」「友達に」各1カウント
●一人称:ぼく/僕/おれ/俺/オレ
●二人称:お前/君/オマエ
●三人称:あいつ/あいつら
●その他の気づきポイント
・句読点あり
・東京弁?多用
つまらねえ、行かねえか、見つけてえんだ、見上げてえな、決めてえよ、etc.
・ひらがな多用
一般的にあるいはこれまで漢字で表記されていた言葉が、ひらがなで書かれているものが多い。
あそびに、いく、いってみりゃあ、うまれた、かいてある、こえゆこう、こえられる、すすむ、たちならぶ、つづける、とまらない、のぼった
・カタカナも多め
ココロ、サイコー、ジワリ、ナミダ、ニセモノ、ヒト
・異なる表記が1曲の中にある
越えていく/超えていく(“人間って何だ”)
・漢字カタカナ問題
街/町
ナミダ/涙
つまるところ、悩みは「自分は何者なのか?」「自分はどう生きていくべきか?」という2つに集約されていく。
EPIC時代に 金、金、ウソ、ウソ、言っていたのを思い出させるような 存在、存在、の連呼。
「人間って何だ?」と大上段に構えて、「勝利を目指すもの」であるから「行かなきゃなるまい」と大思想、大思潮をぶち上げる。だが結局は、自分の人生をDJが円盤を回すが如くに渡って行くしかない。
前作から今作までの道筋で、この普遍的な大命題を《個》としての等身大の自分に落とすことができた。前作で驚くほど少なかった一人称が、今作では「俺」「おれ」「オレ」「僕」「ぼく」とこれまでにない多様さを見せ、しかも単数のみしか出現しない。しかし《個》としての自分を歌っていながら、表向きには「人間って何だ?」に置き換えられたこの問いの明確な答えは、『RAINBOW』まで待たなければならない。
もうひとつの問い「自分はどう生きていくべきか?」
あと百年を生き長らえても
今のこのオレを抜けられやしまい
あと五分しか生きられぬのなら
今のこのオレをこえられるというの
自問自答しながら、
いわば昨日の人生 こえゆこうとすすむもの
と歌う。“人間って何だ?” では「超えていく」「越えていく」の同音異議字だったのが、この“勝利を目指すもの” とアルバムタイトル曲 “風” では「こえられる」とひらがなに。
百年あってもとうてい足りない、五分しかないとしてもこえられない、だが太陽が昇るとともに生まれ変わる今日のオレ、明日のオレなら、昨日の人生をこえられるかもしれない。彼にとって《昇る太陽》がいかに重要なファクターなのかがうかがえる。
悠久の歴史の流れと、この国を生きる人間たる自分・・・その軋轢から捻り出されたワードが ‘スーパーマンになるしかあるまい’。
「自分はどう生きていくべきか?」
このもはや常態化した思索は、次のアルバムでまた一歩、大きく転換する。
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