カーテルのムル

宮本浩次およびエレファントカシマシの深遠な混沌に貫通する芯を、歌詞を手がかりに探る。分…

カーテルのムル

宮本浩次およびエレファントカシマシの深遠な混沌に貫通する芯を、歌詞を手がかりに探る。分析と考察と、その研究材料の書庫。 楽曲やセットリストに意図的あるいは無意識に投影される心情を、独自の手法とアプローチで読み解く。

マガジン

  • 備忘録

    コンサァトの感想文など

  • 思考の断片:現在地について

    ソロ活動⇄バンド活動について、その瞬間瞬間を考察した軌跡。 第1期10本。第2期10本。現在、新生エレカシを追いかける第3期に突入。

  • 数えてみた

    エレファントカシマシの歌詞を研究している過程で得られたデータをまとめています。アルバム1枚ごとの結果はマガジン「歌詞語彙辞典」にアップしています。

  • 思考の断片

    書き散らしメモ。140字で書ききれないことを蓄積する箱。

  • 明日に向かって歩こう

    自分のmixiの過去投稿を何年ぶりかで見に行ったら、これがまたけっこういいこと書いていた。そして、ああこんなこと考えてたんじゃあ宮本浩次に惹かれるわけだ、とめちゃくちゃ納得したのでサルベージして移植。

最近の記事

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歌詞語彙の分布まとめ

全275曲をデータベース化。 出現傾向を言葉ごとにまとめています。 ・アルバム23枚/250曲 ・アルバム未収録25曲 ・公式歌詞カードなく未調査7曲 (ベスト盤収録ライブ音源5曲/隠しトラック2曲) Update:2024.09.17 ●季節/気象・春 ・夏/真夏 ・秋 ・冬/真冬 ・雨 ・星 ●花鳥風月/動植物▫️花鳥風月 分布 ・花 ・薔薇/バラ ・月 ・猫/ネコ/子猫 ●時間帯・夜明け ●漢字/ひらがな/カタカナ/英語▫️心/ココロ/ここ

    • 36年目のファイティングマン 現在地について27

      いやー、凄かった。
 やりやがった…!! やってくれた…!!! 聴衆の度肝を抜く もの凄いロックバンド!! これぞエレファントカシマシ。 フェスのたびに、世間に見つかってしまう。 「え、名前と代表曲しか知らなかったけど、  こんなにかっこいいの?!  こんなに可愛らしいとこあるの?!」 と思わず唸らせる魅力。 ゴリゴリにかっこいいロックミュージシャン全開にしたかと思えば、袖ステージの端から端まで走り回ったり(しかも左右平等に、端から逆の端の端まで必ずシンメトリーなのも好感度

      • 明日もまた愛を探しに行こう 現在地について26

        この夏フェスにあたり、ひそかに注目していたことがある。 “ガストロンジャー” と “今宵の月のように” を、演るか、演らないか。 演るなら、ソロでか、エレカシでか。 このエレファントカシマシを代表する2曲は、35周年アリーナツアー「35th ANNIVERSARY TOUR 2023 YES. I. DO」ではセットリストに入っていなかった。 
その言葉を実証するかのように、前年の「TOUR 2021〜2022 日本全国縦横無尽」の重要な場面でさんざんに歌ったからというこ

        • エレファンツの明日 現在地について25

          星々が数を増してゆく映像と呼び合うかのように、“Woman “Wの悲劇”より” の煌めくイントロが流れる。 花道の先端センターステージの暗がりに、宮本浩次が現れる。 ひそやかに囁くような優しくやわらかい歌い出し。カバーで得た新境地をしみじみ聴き入っていると、‘雪のような星が降るわ〜’ の「わ〜」の響きで「わーーー」とノンビブラートの真っ直ぐな歌声になる。ああ、これが聴きたかった…、と大好きな歌声に鳥肌が立った。 そこからの “rain - 愛だけを信じて-”。 一昨年のずぶ

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        歌詞語彙の分布まとめ

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        • 思考の断片:現在地について
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          25本

        記事

          遠回りしてた昨日を越えて 現在地について24

          新生エレファントカシマシ、すなわちエレファンツのインスタグラムアカウントが開設されて、動画がアップされたというお知らせに居ても立ってもいられず、音を出せない環境の中でこっそりと、楽しそうに嬉しそうに笑い転げ、社長が手ずから淹れるお茶で乾杯する4人を見た。無音で。頭の中ではこの歌が鳴っていた。 この “going my way” が収録されているアルバム『宮本、独歩。』は、こんな歌詞で始まる。 4人が4人で4人らしくいられる場所を探し求めて、 たどり着いた、約束の国。hot

          遠回りしてた昨日を越えて 現在地について24

          花であれよと

          百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェスー 通底縁劇・通底音劇「dawn song」 素晴らしかった。 いやー、、、 超絶以上の絶好調のさらにその上をゆく超絶絶好調のモフ次だったぁーーー!!! 音楽って素晴らしい!!! またまた歌が上手くなっていたし、ブギウギや沖縄のグルーヴなんて思いもよらぬ新しいジャンルを歌いこなし、いったいこのひとのポテンシャルはどこまで果てしないんだ!、とこんなにも毎回毎回見せつけられるって、ほんとにこのひとのポテンシャルはどこまで果てしないん

          行かば、道は開けん 現在地について23

          この歌が頭の中で鳴り響いていたのは、このところの強い風のせいだけだろうか。 新年度を迎えるにあたって原点を再確認したい今の心境にしっくりくる。 長い沈黙から唐突に始まってシャッキリさせられるのも、“心の生贄” というタイトルからは予想できない明朗快活さも大好きだ。まさに隠れた名曲。(アルバム『俺の道』のラストにシークレットトラックとして収録されています。) このひとは、今、何を求めているんだろう? ここから、どこを目指して行くんだろう? そんな問いを笑い飛ばすようなお知ら

          行かば、道は開けん 現在地について23

          冬来たりなば

          【2010年02月23日 01:42】の日記 寒い。 朝、家から駅までは、 北に向って歩かなければならない道が長い。 ぬぐってもぬぐっても涙が溢れてくる。 弱い日光 低い気温 冷たい風が、 体力と気力を奪っていく。 それを回復させてくれる太陽の光とあたたかさが恋しい。 冬の風や雪は、体力と気力を奪うだけではすまないらしい。 心の中にまで吹き込んでくる。 なぜなのだろう。 夏は、暑さや台風の嵐でさえ、そんなふうには思わないのに。 次から次へといろいろなことが起こるの

          折句まとめ

          ●2024年6月12日 『宮本浩次 五周年記念 birthday concert GO!』に寄せて ●2023年12月31日 NHK紅白歌合戦に寄せて ●2023年10月8日 『祝・日比谷野音 100周年 日比谷野外大音楽堂 concert 2023』に寄せて ●2023年6月12日 『宮本浩次 Birthday Concert 2023.6.12 at ぴあアリーナMM 「my room」』に寄せて (折句ではなくソロアルバムタイトル織り込み) ●2023年5月2

          生きてるから涙が出るの 現在地について22

          「ロマンスの夜」中之島公演、有楽町公演、本当に素晴らしかった。 大好きな歌を盤石のバンドメンバーと共に奏でる姿は、それはそれは楽しそうで嬉しそうで、瑞々しくて生き生きとしていて、神々しくもあり妖艶でもあり、とんでもなく歌が上手くなっていて、1曲ごとに物語に引き込まれた。 宮本浩次が歌うと、まるでその歌のヒロインが憑依したかのような乙女になる。 それはなぜなのか。 感情移入して歌うことによって、彼の中の女性性に共鳴して純情可憐な乙女が現出するのでは…と考えた。それはおそらく、

          生きてるから涙が出るの 現在地について22

          変わるもの、変わらないもの

          紅白歌合戦出場、おめでとうございます!! 白組トップバッター! …なわけではなくて、たとえ50音順だとわかっていても、一番上に名前があるって気持ちいいですね! 違うかい?エヴリバディ!! いやー、CDJに出演しないってわかった時に、いやこりゃぁもしやまさかいやだがしかしうーんもしかしてもしかするとまさかもしやワンチャンあるか?!と思ったんだよね…。 2023年、こんなに精力的に活動してきたんだもの。 新曲を2曲も発表して、1曲は映画の主題歌になって、もう1曲は企業CMになっ

          変わるもの、変わらないもの

          心がうたうよ 現在地について21

          “No more cry”。 まず思い浮かんだのが、この『愛と夢』所収の “good-bye-mama”。 この歌で ‘もう僕はもう決して泣かない’ と歌ってから、25年の月日が流れた。 同じ意味合いの言葉を、こんなにも爽やかに軽やかに高らかに、しかも英語で歌えるようになるまで、このひとはどれだけ泣いてきたのだろうか。 悔し涙、嬉し涙…、どれほどの涙を流してきたのだろうか。 涙を流しながら、立ち止まってもまた歩き出して、うずくまっても再び立ち上がる。 このひとは、なぜこんな

          心がうたうよ 現在地について21

          「今の自分を信じてみなよ」 現在地について20

          昨年のあのゴリゴリ重厚な野音2022から、35thツアーの祝祭を経て、いったいどんなステージになるのか。 コンサートの4日前、不動の4人と細海魚さんのお名前が発表された。 私の認識が違うのかもしれないけど、サポートギターには歌係さんが歌に没入してしまってギターを弾くべきところで弾けなくなってしまう時の影武者的な役割もあるような印象。歌係さんは自分という楽器を奏でているから、同時に2つの楽器は鳴らせない。それが今回は不在ということは…。 「歌に専念する」のは「歌手だから」で

          「今の自分を信じてみなよ」 現在地について20

          2023から1988へ 現在地について19

          1988年9月10日、渋谷公会堂。 2023年7月24日、ロンドンAbbey Road スタジオ。 このひとの中には、透徹する芯が貫かれている。 なんとかして、《それ》をつかみたい。 …そう思って note を書いてきたのかもしれない。 ヒリヒリしてるのもいい。にっこりしてるのもいい。 こいつはまあ、言ってみりゃあいわゆるギャップ萌えというやつなのかもしれないけど、考えてみりゃあそもそも人はみんな、ギャップの中で生きている。悲しみと喜び、栄光と挫折、失敗と成功、希望と後

          2023から1988へ 現在地について19

          ロンドンの空の下 cry 現在地について18

          いつの間に、こんなにもひとりのスタジオが似合うようになったのか。 心の躍動、パフォーマンスに結晶する幸福感、静謐な時間と靴音の響き。 今ならわかる。このひとが自分らしくいるためには、やはりバンドとソロを分けることは必然だったのだろう。 有り余る才能は目指すものに向かって表現形態を模索しつづけ、分離させ、融合させ、たどり着いた《今》。 目指しているのは「売れる」こと。それは多くの人に歌が届いた証左でもある。 これはあくまでも筆者の感触だが、「多くの人に聴いてもらいたい」とい

          ロンドンの空の下 cry 現在地について18

          世間に見つかってしまった

          宮本浩次が、エレファントカシマシが、また世間に見つかってしまった。。。 ああ…。。。 フェスの度に、度肝を抜かれた方々の感想がSNSに流れてくる。 「すごかった!とにかくすごかった!」とか「かっこよかった!!!」とか…。 …わかる!…めちゃくちゃわかる! この言葉にならない感じ、ものすご〜く共感! 脳天直撃とはこういうことか。ハート鷲掴みとはこういうことを言うのか。 フェスのエレファントカシマシは本当にかっこいい。 彼らだけを目当てにファンが集まるコンサートとは違って、い

          世間に見つかってしまった