カタユリ

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晩夏

夏の夕暮れ、蝉の鳴き声が鈴虫に移り変わる中 私は夜の散歩で、夏の晩を感じた。 夏休み最終日の様な締めに追われた忙しさと 夏を遊び残した寂しさ、 秋になり、草木が…

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4年前
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胡蝶蘭

先の、盂蘭盆に胡蝶蘭が届いた、 仏壇のそば、白い卓布の脇に 真っ白な花を咲かせ、 そこは俗世と切り離されたようであった。 胡蝶は人の魂を浄土へ運んでゆくそうであ…

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4年前
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風鈴

夏になると風の音を聞きたくなる 涼げな音色を奏でるのを聞いていると 暑さの中に一瞬の静けさを感じるからだ。 私は久しぶりに近所の神社を参拝していた。 そこは暑く…

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4年前
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紫陽花

そろそろ祖父の一周忌である。 しとしとと雨が降るこの時期 私はカタツムリのようにじっとりと家に籠り 過ごしていた 連日の様に、お焼香をあげに来る客人を片目に 煙…

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4年前
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晩夏

夏の夕暮れ、蝉の鳴き声が鈴虫に移り変わる中

私は夜の散歩で、夏の晩を感じた。

夏休み最終日の様な締めに追われた忙しさと

夏を遊び残した寂しさ、

秋になり、草木が枯れたら育ったものが実るかなと

少しずつ秋色に染まる景色を眺めて、

秋を想った。

胡蝶蘭

先の、盂蘭盆に胡蝶蘭が届いた、

仏壇のそば、白い卓布の脇に

真っ白な花を咲かせ、

そこは俗世と切り離されたようであった。

胡蝶は人の魂を浄土へ運んでゆくそうである。

昔の人は洒落たことを考えるな、

そう思いながら萎れて壊れてしまいそうな

蘭の花を覗いた。

風鈴

夏になると風の音を聞きたくなる

涼げな音色を奏でるのを聞いていると

暑さの中に一瞬の静けさを感じるからだ。

私は久しぶりに近所の神社を参拝していた。

そこは暑くになるとあまたの数の風鈴が参道に並ぶ。

ー風の通り道だー

そう思いながら夏を祈りに歩き出した。

紫陽花

そろそろ祖父の一周忌である。

しとしとと雨が降るこの時期

私はカタツムリのようにじっとりと家に籠り

過ごしていた

連日の様に、お焼香をあげに来る客人を片目に

煙の立ちこめる中顔を出しては挨拶をする日々を送っていた

ある日、近親の叔母が家に立寄った

叔母は今年で還暦を迎える。真っ青なワンピースを纏い

叔父を連れ、近況報告がてら来たようだ。

まるで、紫陽花のような人だな

私はそう思

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