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【つくること】 第4回超映画総合研究所”志田ゼミ” DAY1(2024.5.17)レポート

いよいよ超映研セカンドシーズンのスタートとなりました!
(シーズン1の総括は以下↓)

内容はそのままに、スタッフ間では継続性を大切にしていくことをテーマに申し込みを開始したところ、これまで参加してくれたゼミ生諸氏をはじめ、新規で申し込まれた方々も多々いらして、5月17日(金) の第5期ゼミ生はギャラリー含めて総勢20名にもなりました。
プレゼンターの申し込みも多く、はじめて選出制をとらなければならなくなるほど。結果としてプレゼンターはレギュラーの志田さんを入れて6名となり、うち初の推薦プレゼンを行う者は3名と、これまで以上に賑やかで楽しい場となりました。

そんな超映画総合研究所 志田ゼミ第4期。どんな作品がプレゼンされたのでしょうか…。

推薦作『ソウルメイト 七月と安生』2016
監督/デレク・ツアン
主演/チョウ・ドンユイ、マー・スーチュン
プレゼンター/ケイティさん

中国のウェブ小説が原作で映画化された本作は、その後韓国でもリメイクが製作されたほどの人気作。
二人の女性、安生(アンシェン)と七月(チーユエ)の友情の物語であり、その絆は少女時代から多感な青春時代を経て、結婚や家庭、子供を意識する歳にまで至る。
推薦していただいたのは、そのような内容の解説に加えて、二人の間には愛する一人の男性の存在がいるということ、そして既に七月の行方は不明で、どこかで二人(安生と七月)の物語をネット小説にしてアップし続けている、ということなど、単なる女性同士の友情物語だけではない作品と説明。
初プレゼンだったケイティさんは制限時間内では語り足りない様子ではありましたが、作品への愛情はとても強く感じられました!

推薦作『太陽を盗んだ男』1979
監督/長谷川和彦監
出演/沢田研二 菅原文太
プレゼンター/しのびんさん

日本映画史の中で異色のアクション&人間ドラマである本作。
監督の長谷川和彦は本作と『青春の殺人者』の二本のみがフィルモグラフィーという、これまたその存在も異色。
プレゼンではそんな監督の説明に、主演がジュリー=沢田研二という、当時の歌謡界のスーパースターであるということ、そんな彼が一市民でありながら原子爆弾を製造してしまうという恐ろしいストーリーであるということ、その中で自身が大好きなシーンと台詞はここだと説明されるなど、こちらもまた初プレゼンのしのびんさん。
熱が入り、制限時間オーバーになるほどの濃厚なプレゼンを展開していただきました!志田さんからは、本作では現在の日本映画では到底実現出来ないであろう、リアルなロケシーンが多々登場するので、そのダイナミックな演出もあわせて楽しんでいただければと付け加えられました。

推薦作「アバウト・タイム 愛おしい時間について」2013
監督/リチャード・カーティス
主演/ドーナル・グリーソン
プレゼンター/miwaさん

本作のプレゼンターmiwaさんも初登場。
まずは意外にもいかに自分がヒュー・グラント・ファンであることを力説!『フォー・ウェディング』『ノッティング・ヒルの恋人』『ラブ・アクチュアリー』とヒュー作品を絶賛し続けますが、結果、それを凌駕するような俳優が現れた、それがこのドーナル・グリーソン主演の本作であるとまたまた力説!! 彼の存在感はヒューへの想いをも超えたと絶賛し、その相手役のレイチェル・マクアダムスもあわせて高評価。
独自にペラ一枚の小さなプレゼンシートを駆使して紙芝居的にプレゼンされるのですが、その作品愛の強さにはそんな紙一枚なんて気にならないほど。
プレゼン後、志田さんから「肝心な作品の見どころを伝えていないのでは?」とツッコミが入りましたが、そこは意図的にわざと語らなかったと。観ていただいてのお楽しみとすかさず返答あり。確かに。まさにそんな映画です!

推薦作「羅生門」1950
監督/黒澤明
出演/三船敏郎、京マチ子、森雅之
プレゼンター/大澤諒恭さん

言わずと知れた日本映画史に燦然と輝く、黒澤明監督の名作中の名作。
芥川龍之介による原作を元に、黒澤監督の演出と橋本忍の脚本で見事な人間が併せ持つ業を表現。
国内外にて高く評価され、その声は現在でもとどまらない。
プレゼンは若干20代の青年からであり、多角的視点による斬新な物語構成がしっかりと分析され、このようないくつもの時系列を映画の中でしっかりと観せる作品は新鮮であると語り、ギャラリー諸氏の興味を存分に引き出しておりました。
志田さんからは、戦後5年ばかりのこのタイミングで、本作は国内よりも海外の映画祭などで絶賛され、多くの賞も受賞。まさに当時としては遅ればせながらの凱旋という存在感であり、その後長く語り継がれる作品へとなっていった、戦後初期を代表する傑作であると補足されました。


推薦作「最後の決闘裁判」2021
監督/リドリー・スコット
出演/マット・デイモン、アダム・ドライバー
プレゼンター/りえぞーさん

14世紀に実際起きた衝撃の裁判騒動をノンフィクション小説化した『決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル』を、名匠リドリー・スコットが映画化した衝撃作であり、プレゼンしたりえぞーさんは「前作のリドスコがあまりにもつまらなかったからリベンジを」と前置きし、これはなかなか面白かったのから名誉挽回を、とばかりにアピール。
妻を寝取られた従騎士とその犯人従騎士、微妙に捉え方の違いがある3人の法廷証言がそれぞれ描かれる、まさに “ラショーモン・アプローチ”であることもプレゼンされました。
今回この “羅生門リンク”により、一気にギャラリーからも時系列にひねりを加えた作品に他はどんな映画があるのか?などといった質問も飛び交いました。『千年女優』『パルプ・フィクション』、かつて超映研でもプレゼンされたホン・サンス作品など、今回の作品をきっかけにたくさんの興味深い映画たちも共有されていきました。

推薦作「ライフ・イズ・ビューティフル」1997
監督・脚本・主演/ロベルト・ベニーニ
プレゼンター/志田一穂さん

イタリアのコメディアンにしてジム・ジャームッシュ作品の常連でもあるロベルト・ベニーニ渾身の一作を志田さんがプレゼン。
第二次世界大戦前夜1939年、主人公のグイド(ベニーニ)と小学校教師ドーラが結婚。息子ジョエズが生まれ幸せな日々を暮らしますが、戦争が激化していき、ユダヤ人迫害(ホロコースト)の犠牲となっていくことに。
強制収容所に囚われ、ジョエズには「これは戦争ゲームだから」と嘘をつき続けるグイドだが…。
ユダヤ系イタリア人の親子の視点から戦争の残酷さを描いた作品ではあるがあくまでもコメディー、ユーモア精神を大切に生きていくということをメッセージにした作品であることを強くプレゼンされていました。


以上、今回は計6作品のプレゼンをシェアいたしました。
ギャラリーではやはりいつものように熱心にメモをとられる方も多々いらっしゃいまして、今回も何本観てやろうか!という気合が伝わってまいりました。19時からスタートした志田ゼミプレゼン大会はほぼ90分で、賑やかに、時に真剣に、滞りなく終了いたしました。そのあとは21時まで会場内にてコミュニケーション・タイム。ゼミ生たちそれぞれが今回の映画たちについて、または他の作品の情報交換など、またまた盛り上がっておりました。

この志田ゼミは推薦作を観て、それについてまた意見交換していくDAY2をもって着地となります。そのDAY2は5月31日になります。
・なぜその作品を観たいと思ったのか?
・どうやってその作品を探して観たのか?
・観た上でどう思ったのか、どう感じたのか?
・そして、その映画から次に思いつく映画とは何か?
そんな意見交換を行い、志田が総括していきます。そうして今回集まった作品たちを今一度最終的にシェアしたところで、全行程終了となります。

さて、この6作品、今回もたまたま集まったものなのか、
あるいは何か意味をもってここに集まったものなのか?

重要な気づきは、再び集合するDAY2にあります。
このギャラリーは引き続き申し込みOK!
お楽しみに!