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「いまここにいる私」を知る。全社会議2022 Day1レポート

カタリバでは年に一度、全国各地で働くメンバーが一堂に会する全社会議を行っています。今年は5月15日(日)・16日(月)の2日間にわたり、職員、業務委託パートナーの参加者に加え、連携団体スタッフ、ボランティアスタッフ、また関係団体・機関スタッフなどをお招きして開催しました。

今年のテーマは「つくりたい未来語り、そして『いまここにいる私』からはじめよ 〜一人ひとりの2021年研究対話〜」。

カタリバの現在地を確認しつつ、一人ひとりが研究者として今後探究していくものを見つける時間となりました。本レポートでは、カタリバへ4月に入職したばかりのもりはるが、初めて参加した全社会議の様子を紹介します!


 “ミネルバの森” が日本中にある社会を作るために

Day1のテーマは「現在地を知る」こと。まずは代表の今村(以下、今村)が、カタリバのこれまでと現在地について語りました。

「大学生のときにカタリバ共同創設者の三箇山 優花さんと出会い、夜の江の島で『関わるコミュニティによって、モチベーションが湧き出る機会に格差があるのはなぜだろう?』と語り合ったのがカタリバの始まりです」(今村)

▼今村が三箇山と夜の江の島で語り合ったときのエピソード
https://www.katariba.or.jp/outline/greetings/

慶應義塾大学のSFCへ進学した今村が、SFC創始者のひとりである加藤寛さんのスピーチ動画を見たときの話が特に印象的でした。

「図書館にあるビデオカセットで、加藤さんの動画を見たのを強く覚えています。『この社会は真っ暗闇ですが、みなさんにとってSFCがミネルバの森(※1)であってほしい。みなさんはフクロウです。ミネルバの森から小さな光を探り当てて社会へ飛んで行き、新しいものを生み出す人となってください。』という話を、涙ながらに聞きました。でも、『なんでミネルバの森はSFCにしかないんだろう……?家庭や教育環境が一人ひとり違う中で、選ばれし人だけが来れるミネルバの森なんておかしい。生まれたときから日本中のミネルバの森でいろんなフクロウが飛び立っていけるような社会にしたい』と思ったんです」(今村)

(※1)学問発祥の地であるアテネの守護神は女神・ミネルバであると言われているため、アテネの森をミネルバの森と呼んでいる。

「SFCの理念を表す初代総合政策学部長の言葉」https://you2.jp/sfc/sfc_009.htm より

自分の中の少しの違和感から芽生えた決意をもとに、高校生と本音で語り合う「出張事業カタリ場」を始めとして、子どもたちへの居場所づくりを進めてきた今村。今後は同じ世界を目指す方へノウハウを発信し、10代をみんなで応援する “宇宙” を広げていきたいと語ります。最後は、「目の前の子どもたちにどんな機会を作っていくのか、研究者として見定めていきたい」という言葉で締めました。

一人ひとりが研究者として「Myテーマ」を発表

Day1の中盤では、メンバー全員が研究者になるべくホームグループごとに分かれて目の前の現場での気づきや学び、生み出したいものを伝える「My研究発表」を実施。

普段は関わる機会のないメンバーとチームになって研究内容を発表し合い、より深め合うことで新たな気づきを得られました。ちなみに広報の私は、困難を抱える中高生のための居場所を運営するメンバー、全国で探究学習に取り組む高校生が集う「全国高校生マイプロジェクト」京都事務局メンバー、寄付サポートやマーケティング業務を行うファンドレイジング部メンバーと同じグループでした!一度立ち止まってこれからを見つめ直すだけでなく、他メンバーの悩みや目指すところを知れる良い機会となりました。

その後のランチタイムでは、「ふるさと」別でZOOMのブレイクアウトルームを作成。同郷同士で集い、懐かしい話に花を咲かせました。「出身地」だけでなく、自分らしい「ふるさと」を選んでもOK!もちろん参加せずにひとりでゆっくりご飯を食べるのも良い自由な時間です。私が参加した東京グループでは、各市区町村に存在する地域コミュニティの特徴や重要性の話で盛り上がりました。

キーワードは “利益限界曲線” と “衝動” 

Day1後半は、全社会議の目玉コンテンツでもある「インスパイアセッション」。今年は経営コンサルタントでありながら、思想家・哲学者でもある山口 周さんをお招きしました。

テーマは『これからの社会、そこから見える私たちの役割とは?』。まずは山口さんより、現在の社会構造を知るためのお話がありました。世の中では普遍性が高く(市場が大きい)、難易度が低い(人手・時間・お金がかからない)ような利益限界曲線の内側にある問題から解決されてきている一方で、私たちはその外側にある「虐待」「過疎」「貧困」「不登校」などの問題に向き合っていることを再認識する時間となりました。

また、経済学者ケインズが使用した「アニマルスピリッツ」という言葉を引用し、 “衝動” についてご紹介。人を駆り立てる血気や野心は、人間本来の衝動にもとづいて引き起こされ、行動へとつながるとのこと。カタリバのメンバー一人ひとりが衝動に突き動かされて集まっているのかもしれないと考えると、なんだか胸が熱くなりました。

「研究対話」を通じて学びを深めた8時間

Day1終了後に参加者全員で撮った集合写真。

全社会議Day1を終えて感じたのは、カタリバはインプットだけでなくアウトプットの時間を大切にしているということ。自分の研究内容を他メンバーへ発信したり、山口さんのお話を聞いてそれぞれが得た気づきを共有したり……違う意見に触れることで、学びを深めることができました

そして何より入職して約1カ月半の私にとって、全国にいるカタリバメンバーと実際に話をするのは貴重な経験となりました。カタリバの現在地を知るために頭をフル回転させた全社会議Day1。次回はDay2の様子をお届けします!

▼カタリバとは

文:森田 晴香

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