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「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい



本について

読んだ本

「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)

◎やる気がおきない、イライラする、なんとなく人生が楽しくない…
 それは「心に重荷」を抱えているサイン
親に認めてもらいたくて無理して頑張った。
自分よりも他人の気持ちばかりを優先してしまった。……
そうやって心に蓋をして無意識に追いやった自分の感情は、
「心の重荷」となって、あなたを生きづらくしているーー。
 ◇心の上に“漬け物石”を置かれていたことに気づく
 ◇他人から「よく思ってもらいたい」という気持ちを捨てる
 ◇「自分にできることをすればいい」と開き直る
 ◇「私には私の人生がある」と宣言する! ……etc.
「いい人」になんてならなくていい。
「自分中心」で生きていい。
自分らしい心地いい人生が開けていくヒント!

amazonより

それぞれが抱えている「心の重荷」を、少しでも軽くするために、どうやって降ろせばいいのかを、ケースごとに教えてくれている本です。

読もうと思った理由

この本の帯にも書いてますが、「いい人」から卒業するためにはどうすればいいのかを知りたくて読みました。

実はこの本を買ったのは2022/12/2で、めちゃめちゃ前です。読んだ記憶はあるのですが、noteでアウトプットを書いてなかったので、1年半以上経ったこのタイミングで感想を書きます。なお、全てを読み返せないので、当時ラインを引いた箇所を中心に読み返しながら感想を書きます。


感想

優しい言葉をかけてくれる本ではない

心の重荷を抱えている人に対して、何か優しいことば・励ましをくれる本かと思いきや、そうではないです。たとえば一文が。

困難な課題から逃げる。逃避する。自分の人生を探し求める決意もない。  困難から逃げるから、自分で自分がわからなくなる。

『「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)』加藤 諦三著

つらくても頑張ってしまう人の思考について、書いている章の一文です。
励ます系の本であれば、「逃げてもいい」「誰かに助けを求めよう」とか書いていそうですが、そうではありません。短絡的なアクションを提案するのではなく、そんな状態になった根本的な原因として、「逃避している、決意がない」と書いています。

この本は総じて、「自分が自分の人生に責任を持て、自分で決めるべきなのだ」といったことを教えてくれる本です。

劣等感は幻想。克服も解消もしなくていい

デモステネスの努力は、自分の本性を否定する努力だから、努力すればするほど消耗する。 (中略) 劣等感からの活動を続ければ続けるほど、内発的なエネルギーは枯渇してくる。つまり心の借金が増えてくる。心の重荷は重くなる。生きることはどんどんとつらくなる。

『「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)』加藤 諦三著

古代ギリシアの政治家で大雄弁家・デモステネスを例に、劣等感の克服の先に幸福があるとは限らない、ということを教えてくれる一文です。

劣等感に目を向け、その克服のために取り組んでも、必ず自信につながる・幸せになれるとは限らず、逆に次々と別の劣等感が現れてしまい、常にマイナスをゼロにする人生となってしまうかもしれないのです。

劣等感を克服(=マイナスをゼロに)したところで、何か得られるよりも劣等感の要因となる特定人物や他人からの評価に応えただけで、自分を満足させられるわけではないのです。そのため、常に自分に満足できず、消耗させてしまうのです。

悩みがある中でも心を乱さないのが、「心が安らか」な状態である

「心が安らかになる」ということは悩みがなくなることではない。悩みがある中でも心を乱されないということである。悩みのまっただ中でも、人生の深い意味を感じることである。それが自分自身の価値を築くのである。

『「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)』加藤 諦三著

誰しも、悩みをなくしたい、悩みをなくして幸せになりたいと思ったことがあるはずです。でも実際には、ひとつ悩みがなくなっても次の悩みが出てくる。

しまいには、「悩みがないことに悩み出す」こともあるかと思います。「悩みがなくなる」なんて幻想で、そんな幻想を追い求めてもいつまでも幸せにはなれないのです。悩みの中でも、自分自身の価値・大事なものを見失わず、自分の心を大切にできることが幸せになるための第一歩なのだと思います。

幸せになるにも覚悟が必要

「「絶望」の逆は、「自分を信じる」こと。それは覚悟である。 (中略)いつまでも覚悟ができないで、自分に絶望している人がいる。そして自分自身に絶望していることに気がつかない。ひどくなるとカルト集団などに逃避する者まで出てくる。」

『「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)』加藤 諦三著

絶望の逆は「希望」と思っていました。そしてより正確には「絶望も乗り越えれば、希望がやってくる」と考えていました。

しかし違うのです。希望なんてものは勝手にやってくるのではなく、自ら掴み取るための覚悟が必要なのです。

一人前の大人とは、自分が感情の総責任者であること

で「一人前の大人になる」ということは、反抗期を終わらせること。そして、自分が「感情の総責任者になること」である。

『「心の重荷」の降ろしかた――「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (三笠書房 電子書籍)』加藤 諦三著

誰しもが、何かあったとき他人のせいにしたり、自分の中で抱え込んで自滅してしまったりしてしまうことがあると思います。自滅してしまうのは、結局のところ自分の感情をコントロールしきれず、処理しきれなかったのが原因です。

自分の感情は自分でコントロールする。それは決して一人でどうにかしろ、というわけではなくコントロールするために他人の力を借りてもいいわけです。ただ、力を借りる際にも他人に勝手に期待して自分の感情をコントールしてもらおうとするのわけではありません。

力を借りて自分の感情をコントロールしきれなくても、他人のせいにせず、コントロールするために他人に要求することを怠った自分の責任です。
常に、自分が自分の感情を管理し責任を持つ。そんな人が一人前の大人なのだと気づかせてくれました。


まとめ

(過去読んだ際に引いた線をベースに読み返しているため、印象が異なる方もいるかもしれませんが、)この本は、厳しくもあり優しい本だと思います。
常に自分で自分の人生を、感情をコントロールしよう。人生に対して決意と覚悟を持とう。
ということを教えてくれている一冊だと感じました。

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