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【雑記】4月も面白い本をたくさん読んだ

タイトルの通りだ。4月は何かと体調を崩すことが多くて、床で本を読む機会が多かった。
そのお陰で、面白い本にたくさん出会えたので、結果全て良しとしよう。
ここから先では、4月までに読んだ本で面白かった本をピックアップしていく。読む本に困った時の参考にでもしてほしい。

1. 江戸忍法帖/山田風太郎

忍法帖シリーズだ。私は甲賀忍法帖と伊賀忍法帖は読んだことがあって、これで3つ目となる。
これまで読んだものでは、複数の忍者同士の忍法合戦だったが、今回は主人公の剣士対忍者七人だ。一対七の戦い、なおかつ剣法で忍法を制していくのだ。面白くないわけがない。
登場人物も魅力的だ。主人公である葵悠太郎は普段は争いは好まないが一度怒らせると敵う奴がいない凄腕の剣客だ。その葵悠太郎とともに忍者たちと戦う、角兵衛獅子芸人のお縫は敵の柳沢吉保に復讐心を抱きながらも、敵の姫との間に友情が生まれてしまう。復讐と友情がないまぜになった姫とお縫の関係は忍者たちの戦い以上に魅力的だった。

2. ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン/荒木飛呂彦

アニメもやるし読んでみようか…と手を伸ばし、9巻まで読んだ。めちゃくちゃおもしろい。
私のジョジョ経験は4部をアニメで見たくらいしかなくて、漫画で読むのは初めてだ。アニメではあまり気づかなかったけれど、漫画だと絵とストーリー、台詞に密度があり、読み応えがある。
どのスタンドも聞いただけでは「本当に強いの?」なるけれど本当に強い。想像以上の展開が起きて毎度毎度「最強のスタンドだ…」となる。それが楽しい。
好きなエピソードは、取立て人マリリンマンソンが出てくるキャッチボールの回だ。

3. 友を選ばば / 荒山徹

あらすじはこうだ。三銃士のストーリー後のダルタニャンが謎の盗賊団を追う命を受け、廃城に向かうとそこには片目の異国の剣士がいて……。荒山徹先生の小説はどこからそんな奇想が飛び出るのだろうと驚きながら読んでいるけど、今回のもすごい。若き頃のひりつく思い出に浸るダルタニャンが一念発起して、数々の敵を相手にするだけでも燃えるのに、あの人まで出てきて、私は読みながらニヤニヤしてしまった。ラストバトルもスケールが広がり、熱い。読もう。

4. ひとでちゃんに殺される / 片岡翔

タイトルと装丁で買ってしまった。ひとでちゃんに殺される……、ストーカーに追い回される話だろうか、はたまた『ぼぎわんが、来る』のような怪異ものだろうか。素敵なタイトルはそれだけで想像が膨らんで、中身を確かめたくなる。
いざ読んでみると、タイトルはこれしかないように思う。『ひとでちゃんに殺される』はまさに、ひとでちゃんに殺される話なのだ。めちゃくちゃ面白い。ダークな学園ものであり、ホラーであり、ファンタジーでもある。いい作品は見方でたくさんのジャンルに姿を変えるが、『ひとでちゃんに殺される』もまたその一つといえる。

5. スーサイドガール / 中山敦支

今月読んだ漫画の中で、一番心を揺さぶられた。間違いなく面白いし、早く映像化もしてほしい。
本作は、自殺願望を膨らませる害敵「フォビア」と、自殺によって変身する魔法少女「スーサイドガール」との戦いを描いたものだ。
自殺というテーマは扱うにはデリケートで迂闊に手を出せないように感じる。だが、スーサイドガールはそれを真っ向から受けて、軽薄にせず、なおかつ血が沸騰するようなバトルものとして成立させている。あまりにすごい。
漫画的な部分で好きな部分は、大きなコマ割りで主人公たちの顔面がアップで台詞を吐くシーンが多く見られることだ。
人の表情と言葉が、大きな塊でぶつかり、読者の感情を爆発させる。スーサイドガールでは感情の揺さぶりを励起させるコマが多く仕込まれており、私は読んでいて歯を食いしばっていることも多々あった。
まだ3巻しか出ていないので、ぜひ手にとって読んでみてほしい。

(おしまい)

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