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星野源 / 知らない ディスクレビュー


「何にも知らないままでいい」

この作品は星野源4作目のシングルである
2012年では3作目なのでこの年はハイペースでリリースされていたのがわかる


正直一つ前の作品「夢の外へ」があまり良くなかったので
このペースで出して作品のクオリティーがどんなものか心配だった


タイトル曲「知らない」だがはじめに思ったのは音が良いと言うことだった
音はこだわりやクオリティーが一番分かりやすく出るところなので安心した


彼が彼のやりたいことを見つけたのか綺麗で明確な音が鳴っていた
この曲では星野源が星野源である必要性が色濃く出ていたと思う

誰かに言われたことをするのではなく彼の哲学が何よりの指針であるべきで
そうしないと曲が死んでしまうのだと分かった
(逆にプロデュースされてうまく行く人もいるが)

前作と違い今作はしっかりと血が流れていて曲が生き物として動いていた
ここまで作り手の存在感が強いとカラオケで歌うのは難しいと思う

間奏がありCメロに入った所からのエモーショナルな歌は特に素晴らしかった
歌詞は2番のはじまり
「寂しいのは生きていてもああ死んでいても同じことさ」
このワンフレーズが何度聞いてもグッときた


2曲目の「ダンサー」も素晴らしい曲だった
身体からでるリズムがそのまま収録されている感じで
勝手に貴方も踊り出してしまうだろうと言う


作り手の術中にまんまと聴き手はハマってしまうのではないだろうか
その曲のタイトルがダンサーと言うのも完璧だと思う


3曲目の「季節」はサビのメロディが抜群だと思う
派手ではなくさりげないメロディなのだが哀愁があって
日々の隙間にすっと入ってくる難しいことほど簡単にこなす的な曲だと思う

4曲目「おもかげ」もいい雰囲気の曲で聞き応えのある曲である
彼の持っているものは溌剌さではなくぬくもりだと思う
エネルギー全てにぬくもりを持って発することが出来る

根本に優しさがあって軽く聞いていても伝わるものがある
時間がなくても余裕がなくてもそれを包むぬくもりがある
こういう作品は絶対に必要なものだと思う

彼のこの魅力に彼自信も気付く1枚になったのではないだろうか
きっといつだった何にも知らないままでいいと彼は許してくれる

音楽をあまり聞かない人にあえてこの一枚はオススメしたい


変幻自在のクリエーターユニット「KATANAGARI」です。基本ミュージシャンとライターです。Apple musicなどでカバー音楽、オリジナル音楽を配信しています。 https://itunes.apple.com/jp/artist/katanagari/1288449046