奥田民生 / 記念ライダー1号~奥田民生シングルコレクション~ ディスクレビュー
「遊びと仕事の融合」
この作品は奥田民生ソロ名義での初ベストアルバムである
記念ライダー2号というベストアルバムも同日に発売された
2枚組ではなく一枚ずつ発売する丁寧さは嫌いではない
今回は1号のレビューを書きたいと思う
1号と2号の分け方は1号が漢字・ひらがながタイトルの曲を集めているもの
2号はカタカナ・英語がタイトルの曲を集めているものである
こういう分け方ではあるが意外と2枚のカラーが分かれていて面白かった
1号の方が結構外向きな感覚があってゆるく怒っている感じが伝わって来た
曲はベストアルバムなので勿論有名な曲が並んでいる
まず「さすらい」はこの人がいてこの曲が在るのが実に自然である
歌う理由がハッキリしているので華麗なベストアルバムのスタートだと思う
唄も歌詞もメロディーもギターもコーラスも全て無理がなく濃厚である
始まり方も良いし迎合もしてないし気合いが入り過ぎてないのが尚良い
次には「愛のために」この曲の歌詞は遊んでいるけどメッセージが出てて面白い
謎が多いし訳のわからない場所があるから聞いてしまうし余計ハマってしまう
どこまでぶっ飛んでも大丈夫か塩梅が分かっているのだろう
聞き手を置いていかず白けさせない丁度いいユニークさである
これがソロ活動一発目の曲というのも凄い所である
他に何曲かあげるとまずは「何と言う」
完全に好みだが歌詞もメロディーも好きな曲である
音作りは力が抜けてるけどパワーがある
考え過ぎてる時にこんな曲に救われる
落ち着かせてくれたり気付きを与えてくれる曲は特別なものである
次にあげる曲は「野ばら」だが「何と言う」からの流れが良かった
シンプルでコードの流れに逆らわないのが良い
裏切りに必死になるような曲もあるがこういう曲の方が強さがある
焦らずにやれる事をしっかりやるということが1番大切なのかもしれない
次は「メリハリ鳥」純粋に遊びがあって楽しい曲である
ふざけてるように見せて時々すごく本気になるのはこの人の魅力である
ただ遊んでいる訳ではなく真面目な人が遊んでいると感じた曲である
この人は遊びと仕事の融合が上手い
ギター小僧のように素敵なフレーズを弾いているし
楽器になったかのように歌を歌っている
どこに行くか分からないメロディもしっかり掴みどしっとしている
変に内にこもってどうしようと考えるより
しっかりと基盤を作り上げ自分の100点を取れればいいと表現している
ベストアルバムと名ばかりのベストアルバムは多いが
このベストアルバムは間違いなくベストアルバムとして仕上がっている
飽きることなく全曲聞けて楽しめる作品だと思う是非聞いてもらいたい
変幻自在のクリエーターユニット「KATANAGARI」です。基本ミュージシャンとライターです。Apple musicなどでカバー音楽、オリジナル音楽を配信しています。 https://itunes.apple.com/jp/artist/katanagari/1288449046