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刀工について

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2021年5月の記事一覧

兼房

兼房

以下の記事で歴史上一番切れる刀は7つ胴体を重ねて切断した「兼房」の作である事を紹介しました。
体の厚みを1体30㎝としても2.1m位の厚みになるのでそれを全て両断したとは恐ろしい斬れ味です。(因みにはしごから飛び降りるようにして斬ったそうですよ)

(画像転載元:東京木材問屋協同組合)

しかしこの兼房という刀工、実は沢山います。
日本刀銘鑑を見る限り28名…。

有名な初代兼房初代兼房は、世に兼

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マイナーだけど面白い刀工シリーズ① 「寿格」

マイナーだけど面白い刀工シリーズ① 「寿格」

長光、景光、吉光、来国俊、来国光、正宗、貞宗…などなど有名な刀が美しいのは周知の事実として、よく玄人の方が言われるのはマイナーな刀工にも面白い作はあるよということ。
それを見つけてこそ刀趣味というもの、と言い切る人も居るほど。
という事で今回から不定期で「あくまで個人的に」面白いと感じたマイナー刀工の作を紹介するシリーズを初めてみます。

マイナーの基準
本記事はあくまで刀の初心者を対象にしている

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粟田口に沸映りあり。

粟田口に沸映りあり。

粟田口の刀は青い清涼な地鉄をしている。
私だけかもしれませんが、粟田口と聞くと「地鉄が美しい」という一種のおまじないのような先入観が頭にこべりついていて、恥ずかしながら粟田口にも映りがある事すら知りませんでした。
本を見ると粟田口は来と同様「沸映り」と紹介されています。
確かに以下の押形を見ると沸映りが見て取れます。

(引用元:「五ヶ伝の旅 山城編 著:田野邊道宏」)

因みに以下も沸映りとの事

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童子切安綱の怪異

童子切安綱の怪異

天下随一とも言われる大名刀、童子切安綱。
今回の話は「薫山刀話」に収録された話になります。
「童子切の怪異」という題で童子切安綱の所有者の間に起きた不運が書き連ねてあります。
不運が重なる事から江戸城中には童子切を置かなかったようです。
個人的には読んでる限りまぁ普通に起こり得る事かな(たまたまかな)、と思うのですが皆さんはどう思われるでしょうか?

(画像転載元:童子切安綱wiki)

①童子切

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