【クリエイティブ生活】古典的幻想文学『ウェイクフィールド』を読んで
昨日に引き続き『新編 バベルの図書館1 アメリカ編』から短編の1篇を読みました。今回はナサニエル・ホーソーンの『ウェイクフィールド』です。
前書きを書いているボルヘスいわく『ホーソーンの最高傑作であるばかりではなく、文学的にも最高傑作の一つ』だそうです。
※ボルヘスは南米の作家で、マジックリアリズムと呼ばれている独特の幻想文学の世界的な名手です。『バベルの図書館』というタイトルも、彼が書いた小説から来ています。
正直なところ私にはそこまで訴えてくるものではないのですが、とても引き込まれる、深い味わいのある物語なのは事実です。妻を置いて家を出ていってしまった男の話なのですが、個人的な心理の奥底を描く物語でもあり、社会的テーマ性もある、兼ね備えているのが特徴でしょうか。
ちなみにホーソーンはエドガー・アラン・ポーからはその作品を批判されていたそうです。
「エドガー・アラン・ポーは、寓意などという、彼の考えでは擁護しようのないジャンルの文学を書いているといってホーソーンを非難した」(ボルヘスによる序文より)
こうした一流の作家同士の対立は、どこの国にもあるのだなと思いました。ホーソーンの方がポーにどう反応したのかは書かれていません。
ポーの小説や詩はすでにいくつかは他の本で読みました。どちらも私にとっては好ましい、幻想文学特有の謎めいて奥深い雰囲気があって良かったですね🍀 訳も良いのでしょうね。
こうした本を出してくださる国書刊行会にも感謝を捧げます。
ここまで読んでくださってありがとうございました。あなたのクリエイティブ生活のヒントになれば幸いです。
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