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年金の運用成績がめっちゃいい!

そう思ったのは先日のこのニュース。

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2021年第3四半期の運用実績が5兆4,372億円の黒字
運用しているのは「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」。
う~ん、聞きなれない組織名だ。。。

ということで、いろいろ調べてみました。

■年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とは?

厚生労働省所管の独立行政法人で、日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金(*1)の管理・運用を行っています。
*1:集めた年金保険料のうち支払い等に充てられなかったものを年金積立金として積み立てて市場で運用しています。


■運用成績は?

2021年度第3四半期の運用成績は。。。
期間収益率:+2.81%
期間収益額:5兆4,372億円
ちなみに運用を開始した2001年から今までの成績は
収益率は年率+3.79%
累積収益額は+107兆6,319億円
今現在の運用資産額が199兆2,518億円なので、半分以上は今までの運用益ということ。
すごくないですか?

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上の図(GPIFのHPから引用)を見てわかるように減った年もあります。
(棒グラフが下に伸びてるのは損失が出てるところ)
リーマンショックやコロナショックみたいなのもありますから仕方ないですが、減らしてしまうとはこんなニュースを出されるんですよね。

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■ポートフォリオは?


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上の図(GPIFのHPから引用)のとおり、国内債券外国債券国内株式外国株式をほぼ均等に割り振っています。(GPIF「2021年度第3四半期運用状況(速報)」より)
以外と単純です。


■年金の財源は?

年金の財源は以下の3つ。
保険料収入(現役世代からの収入)
国庫負担(税金から)
運用収入(GPIFの運用収入)

厚生労働省が2019年8月に出した財政検証によると、2019年の厚生年金(*2)の財政見通しは
・保険料収入:37.2兆円(73%)
・国庫負担:10.8兆円(20%)
・運用収入:3.4兆円(7%)
収入合計は51.7兆円
それに対して支出(厚生年金支払い総額)は49.8兆円
その差引額1.9兆円を運用に回しています。

ということは、今の時点では運用総額は年金支払い総額の4倍以上あることになります。

*2:国民年金の総額は厚生年金総額の7%程度と額が小さいので、以下は厚生年金について書きます


■この先の年金はどうなる?

ここで、上にも出てきた厚生年金の財政見通し(厚生労働省の試算データ)を見てみます。

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2019年(令和元年)から2115年(令和97年)の約100年の見通しが出されています。
支出差引の欄を見ると、しばらくの間は「支出<収入」で積立金は順調に増えていくんですが、約90年後の2110年に「支出>収入」となり、収入額が足りなくなります。
そこで登場するのが積立金(運用収入)。
年金積立金を収入に補填することで支出額を確保します。
そしてこの年金積立金は、100年後に1年分の年金支出総額を確保できるよう運用されています。


■この成績を見て思うこと

この運用ってボクらがやっている「つみたてNISA」に似てます。
開始してしばらくはマイナスだったり、単年で見ると減ってるときもあるけど、長い期間運用を続けてると確実に増えてくる。
相場によるものだから保証はないけど、ちょっと安心しますよね。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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