デュワ子と俺。

君だね、ハイボールの起源とも言われるスコッチウイスキーの名門デュワーズから発売された世界感を表現する8年熟成シリーズ、、その中でも人気で一時プレミアがつくほどになったウイスキー。
【カリビアン・スムース】

「貴方がJAPANで話題になっている漢、カスオ・ドーミョージね？」

「そう、俺がJAPANのジョニー・デップこと、道明寺カスオだ。よろしく」

「ジョニー・デップ？デイヴィ・ジョーンズの間違いじゃない？」

その瞬間、道明寺は後ろに回り込み強引にキャップを開けられ、抵抗する間も無く炭酸と割られハイボールにされたデュワ子。
そして豪快に一口ゴクリ。華やかな香りとトロピカルな味が口腔内を満たす。目に浮かぶのはカリブ海のビーチ、そして耳元から聞こえるのは優しく包む様な波の音。これは美味しいウイスキーだ、そう確信した。

「これが道明寺の、フライングダッチマンなのね」
そう言うと、デュワ子は子供のように頬を赤くする。

「デュワ子、お前は実に美味しいウイスキーだ。しかしまだ俺には釣り合わない。もっと大人になったらまた会おう。10年後、また来る」

そう言い残し、道明寺は海の底へ潜っていった。そして海で待つのだ。10年後のその日が来るまで。