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【詩】秋風

秋の朝を
渡る風はきびしく吹いて
指のさきを冷たくひやす

流れる空気に我が身をさらせば
浴びる日差しがあたたかい

こずえを渡る風の音が
ザワザワと ざわめいて

しげみに騒ぐ風の光が
キラキラと きらめいて

数知れぬ葉のひとつひとつが

思い思いに 風に揺れて
 思い思いに 光を跳ねて

銀色のしぶきを散らしてみせる

光の粒のひとつひとつが

思い思いに 瞳に揺れて
 思い思いに 心を照らして

かがやく泡をまたたき放つ

こずえを渡る鳥の声が
ピィピィと とびはねて

そらを泳ぐ鳥の影が
スィスィと すきとおって

小さな羽音のひとつひとつが

思い思いに 風を遊んで
 思い思いに 光を浴びて
 
こずえの影に通りすぎる

こずえが落とす枯れ葉の色が
カラカラと かさついて

道を走る枯れ葉の音が
ザワザワと ざわついて

乾いた落ち葉のひとつひとつが

思い思いに 風に運んで
 思い思いに 光に乾いて

散り散りになって形をくずす

命をめぐむ日の光に
喉をからして朽ち果てる

落ち葉が駆ける秋の風が
心のすき間を吹き抜けていく


©2022 Hiroshi Kasumi


お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。