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【詩】秋の日

燦々と降る、日にさらされて
葉はしなびて、枯れている
発芽と開花の思い出を
渇かした穂に、たくわえている

日の出と日暮れのただ中の
熱い光のめぐみを浴びて
ひと粒、ひと粒
かたい果実を、握りしめて

風に吹かれ、歌った日々も
嵐に打たれて、耐えた記憶も
さかりを過ぎた、ほてりとともに
かたむく日射しに、干されて染まる

空を、シラサギが行き来する
トンボが、翼をふるわせている
風は、涙目を抱えている
ひと夜の眠りを、知るもなく
尽きる命のほとぼりに

©2023  Hiroshi Kasumi

お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。