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8年間模写し続けた話

学生時代から8年間、POPレタリングの教室に通っていました。
当時はパソコンも普及し始めでフォントも少なく、デザイン事務所などでも手書きレタリング、手描きイラストカットがまだ重宝されていた時代です。
(当時はちゃんと食える仕事でした)
字が癖字だったので直そうと思ったのと、イラストが描けるので、そっちの仕事もあわよくばしたいなと思っていたのでした。
結果的にデザインソフト、フォントの進化やいらすとやさんの普及により、この仕事は専業でする方はほぼ居なくなってしまいましたが、この8年間が無駄になったかと言うとそうではなかったと思います。

レタリングで鍛えられる目

やっていた過程は、まずは鉛筆でのフォントの模写。

正方形に対して配置とバランス、空間を意識して模写します。

形を把握したらデザイン筆でポスターカラーで下書き無しで書いていきます。
これが先ず最初、直線を引くのが全然できない!
漫画を描いていたので描けるかと思いきや、腕全体で力を均一にかけて線を引くのは数年かからないとできません。

これは隷書体です

POPレタリングが書道やペン字と違うのは、書き順関係なし!
何度形を整えてもOKなところ。
掲示や看板に使うものでもあるので、形が忠実であればいいわけです。
均等に線を引くためにあえて書き順は変えます。
例えば「三」なら上下を書いてから
等分割の中心に真ん中の線を置きます。
書ききれなかった、ということがないように、横や縦の線が多い文字は、最初に全部の横(縦)線を書いてから進めたりします。

明朝体のひらがなは形や曲線が複雑で難しい!

この「フォントデッサン」「筆の模写」を
角ゴシック、丸ゴシック、明朝体、POP体のカナかな漢字数字と隷書体の漢字を全て行います。
ゴシックとPOP体はマーカーもやりますね。
ひとりで広告の原版、値札や掲示ポスターなどが作れるようになったら卒業。

こういう広告(赤刷りが多かった気が)懐かしい世代の方もいますよね!


ポートフォリオを手当り次第にデザイン事務所や印刷所に郵送(当時はメールじゃなかった…)して仕事を取っておりました。
私は文字よりチラシカットのお仕事の方が多かったですが、PC普及、いらすとや台頭まではそこそこお仕事にはなりました。

こんな感じの絵で、こういう仕事のこういうポーズ、という指定で絵を描く仕事です。求人系が多かったですね。

今の漫画家としての仕事に繋がっている!

さて、もうお分かりですよね。
今の漫画家/作画家のお仕事に全部生きています。
絵や字を図形認識して模写する目。
様々な線を引くコツ。
絵柄をこだわりなく節操なく変えてでも仕事を取る意識。
ガツガツと営業に行く度胸と食らいつき方。
オーダーに忠実に絵を描き続けることに抵抗がないのもこの経験の積み上げがあったからです。
私はタイプ的に芸術家、自己表現系創作者ではないんですよね。
漫画をやってるけど看板屋さん、カット描きさんとか職人に今も意識が近い。
表現したいことやメッセージはありますが、絵を仕事にしていく際に、私にはそこは必須では無いのかもしれないと思います。
楽しく大好きな漫画の絵を描いて、多くの人に喜んでもらって、仕事になったら嬉しいな、でしかないです。
塾講師をやっていたので多い情報を分かりやすく噛み砕くスキルも多少はありますし、
コミカライズのお仕事は向いていると自分でも思っています。
もっと漫画の技量を上げて行きたいし、もちろんいずれはオリジナルもと思っていますが、まだまだ修行が必要だなと思っています。

楽しく毎日原稿を描いています!

大きなお知らせができるまでまだまだかかりますが、引き続き見守っていただければと思います。

漫画たのしーーーーー!!!!!!

更新頻度は落ちていますが元気に過ごしております!






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