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春日華子の「性」なる日記 魔法は解けたのか

東京から帰る道中から胸が苦しかった。
苦しくて苦しくて苦しくて。
涙が出る。
連絡手段のDMで
「楽しかったよ。さみしいよ。気を付けてね。」
なんて送ってこられると散々お金を使って理想の別れ方じゃないな。
って思った今朝がかき消されしまう。

とりあえず、寝よう。
もう二度と会うことのない人だから。
瞼をとじる。
たくさん笑った時間が瞼のスクリーンに脳から映し出される。
息が苦しくて目を開ける。

苦しい。

わかっているのに。
これは恋愛ではなくてお金の関係。
冒険をしたつもりが囚われの身になったまま。

会った男性は2人。

どうしてツギイコウってならなかったんだろう。
夫に似ていたから?
気持ちよかったから?
刺激的だったから?

ため息が出るのではなく気が付けば息を止めている。

再び瞼を閉じる。開く。
繰り返しているうちに瞼を開けると地元まであと一駅のところだった。

魔法が解けていない。

なんて意地悪な魔法なんだろう。

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