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母は聖母マリアではない

私は実母に従順、純潔を求めたことがない。
でも彼女の中にはあるらしい。

6人兄弟の商家の末っ子に戦後に生まれ、
両親、家族が大好きでお嫁に行きたくなかったと聞かされて
育つと余計に私の考えはゆがむ。

ある程度の家だった我が家も最初に生まれた女子。
父も戦争中の貧困で長男である兄を失い、
実質長男で育ってきた。
女子が生まれ父の母にがっかりされたことを後に聞く。

時はたち、私は女子二人を帝王切開で産んだのち
お見舞いに来た夫の父は
「次は男の子だな。」と点滴と尿の管につながれている私に言う。

産後の不安定から私は病棟に響く声で夫に怒りをぶちまけた。

男子、なんなの?
女子は人間じゃないの?

実父はがんで早くに亡くしたが私を
女、男で見ていなかった。
能力主義ともいう。
母はそれが嫌だったのだろう。
私より出来の悪い弟に関心がなかった父にも問題があるとは思う。
しかし、父という後ろ盾を失った私は誰からの援護もなかった。

自由になりたい。

でも、いい子で生きてしまった。

夫と出会い、華子は華子だよ。
全部好きだよ。

信用できなくて家の中のものをひっくり返しても
一緒に片づけてくれた。

パパは華子が試したことも理解している。
そんなパパが旅立った。

華子は女性風俗ライターなんてやってるけど夫は
それ!
それが華子!!
と、言ってくれている確信がある。

二人目が女子で夫の父に次は男の子だな。
と、言われた後、夫は実父に二度と口にしたら
親子の縁を切るといったと夫の母に恨まれた。

私たちは聖母マリアではない。

授かった命の手を離さないように、
世界が不安定にならないように祈りながら子供の自立を願っている。

セックスは淫らではない。
セックスは動物的確認だ。

この人となら。

だから華子は伝え続ける。
金銭で苦労してもあなたを守ってくれない人は逃げなさい。

女は聖母マリアではない。
生むと決めたなら・・・
たとえ独りぼっちでも守り抜いて。
そして聖母マリアに代わってあなたの苦しみを受け止めようとしている人の
かすかな声を信じてほしい。

汚れてなんかいない。
生む勇気があるなら助けの声に耳を澄まして。

信用できないと感じたパートナーから去る道はたくさんあるから。

華子

フリーで記事、取材もしています。会社に所属しています。 現在はお給料をいただいていません。記事を読んでいいな♪ 共感! なんじゃこりゃ?! 何か皆様の感情が動いたときにサポートをしていただけると感謝です。いつも読んでいただきありがとうございます。 春日華子