見出し画像

母が嫌いだ。

物心ついたときは好かれたい一心だった。
母がほめてくれることを一生懸命やっていた。
けれど母を好きだと思ったことが一度もない。
皮膚感覚でもない気がする。

53歳になった今でも彼女が口を開くと嫌なことを言われないかと
構えてしまう。。。

家庭環境がそうだったのかもしれない。

当時、寝たきりの祖母(父の母)を母は懸命に介護していた。
そして小さな弟が二人いた。
弟は赤ちゃんなので母の邪魔にはならない。
私は幼稚園に行く年齢ではなかったのでおば(父の姉)たちが
日中いろんなところに連れて行ってくれ、欲しいものを買ってくれた。

欲しいものを買ってもらうと母は
「人にものを欲しがるんじゃありません。」と決まって私を叱る。
どんどん言いたいことが言えなくなっていく。
鏡を見ながらひとりごとを言う。
「本当のお母さんはどこにいるの?」

母の気持ちもわからないでもない。
寝たきりの祖母をおばたちが見て、私と子供の時間が本当の時間ではないのか?きっとそう思っていたに違いない。
※のちに口にするけど。

でも、母に優しい言葉をかけてもらった記憶もない。
父は成績が良ければほめてくれる。
スポーツも男子に負けなかったら喜んでくれる。
何よりも本や新聞を読むことを教えてくれた。
映画も父の影響だ。

私をほめる姿を見ると弟たちをかばう。
「この子たちもよくやっているんだから。」

母に褒められた記憶がない。

だから子育てが怖かった。
子どもに嫌われても信念と平等だけはぶれずに育てようと。
子どもが家出しても、警察に捕まってもいい。
この子たちは自由に、個性のまま生きてもらいたいと育てた。

そんな孫を見て母は
「あなたはいいわね。子供がいい子に育って。いつもそばにいるわね。」
これも誉め言葉ではない。

母が口を開くたびに嫌悪と動悸がする。

私は母が死んだらなくのだろうか。。。


フリーで記事、取材もしています。会社に所属しています。 現在はお給料をいただいていません。記事を読んでいいな♪ 共感! なんじゃこりゃ?! 何か皆様の感情が動いたときにサポートをしていただけると感謝です。いつも読んでいただきありがとうございます。 春日華子