第25首 枯れ木に烏
※このノートでは、冬の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。
【第25首】
み雪ふる かれ木のすゑの さむけきに つばさをたれて 烏なくなり
《みゆきふる かれきのすえの さむけきに つばさをたれて からすなくなり》
(風雅和歌集/花園院一条《はなぞののいんのいちじょう》)
【イメージ】
雪が降り、枯れ木が白く染まる。
寒々とした枝先がふと揺れる。
続いて寂しげな鳴き声が聞こえてくる。
どうやら烏が翼を休めたようだ。
【ちょこっと古語解説】
○み雪……雪の美称。
○さむけき……元の形は「さむけし」で、「寒そうである」の意。
○なり……推定を表す助動詞。推定とは、断定を避けて、「~ようだ・~らしい」とする用法。「なり」は、特に聴覚による推定を表し、音や声を聞いて、「~ようだ・~らしい」と推測する語。
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