第23首 星明らかに

※このノートでは、冬の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第23首】
 吹きとほす 梢の風は 身にしみて さゆる霜夜の 星きよき空
《ふきとおす こずえのかぜは みにしみて さゆるしもよの ほしきよきそら》
(風雅和歌集/正親町公蔭《おおぎまちきんかげ》)

【イメージ】
 梢に吹きつけ、木々の間を通り抜けてくる冬風。
 その風に当たっていると、寒さが身にしみる。
 息をつき見上げると、霜が降りそうなほど冷え込んだ夜の空。
 星が美しく輝いて、澄んだ光で周囲を明るくしている。

【ちょこっと古語解説】
梢《こずえ》……木の幹や枝の先のこと。
さゆる……元の形は「さゆ」で、冷え込むこと。
霜夜《しもよ》……霜の降りる寒い夜。
きよき……元の形は「きよし」で、澄んで美しいこと。

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