第22首 落葉流れず

※このノートでは、冬の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第22首】
 ながれゆく 落葉ながらや 氷るらむ 風よりのちの 冬の山川
《ながれゆく おちばながらや こおるらん かぜよりのちの ふゆのやまがわ》
(新千載和歌集/足利尊氏《あしかがたかうじ》)

【イメージ】
 流れて行くはずの落ち葉が、
 そのままの状態で凍るのだろうか。
 冷たい冬の風が吹いたあと、
 山あいの川の中。

【ちょこっと古語解説】
ながら……そっくりそのまま、の意。
……疑問を表す助詞。
らむ《ん》……推量を表す助動詞。「~だろう」ほどの訳。正式には、「らむ」は、現在の推量を表す助動詞で、「今頃~しているだろう」ほどの訳がつくが、ここでは、推量で使われている。
山川《やまがわ》……山の中を流れる川。山あいの川のこと。「やまかわ」と清音で読むと、「山と川」の意となる。

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