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春の和歌

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記事一覧

第55首 春の行く日

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第55首】
 花はみな 四方の嵐に さそはれて 独りや春の けふは行くらむ
《はなはみな よものあらしに さそわれて ひとりやはるの きょうはゆく

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第54首 雲を作る桜

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第54首】
 おしなべて 花のさかりに なりにけり 山の端ごとに かかる白雲
《おしなべて はなのさかりに なりにけり やまのはごとに かかるしら

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第53首 花の捧げ物

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第53首】
 神垣の 三室の山は 春来てぞ 花の白木綿 かけて見えける
《かみがきの みむろのやまは はるきてぞ はなのしらゆう かけてみえける》

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第52首 天空の花を

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第52首】
 葛城や 高間の山の さくら花 雲ゐのよそに 見てや過ぎなむ
《かづらきや たかまのやまの さくらばな くもいのよそに みてやすぎなん

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第51首 染まる野原

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第51首】
 春雨の ふりそめしより 片岡の すそ野の原ぞ あさみどりなる
《はるさめの ふりそめしより かたおかの すそののはらぞ あさみどりな

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第50首 梅香る春夜

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第50首】
 春の夜は 吹きまふ風の うつり香を 木ごとに梅と 思ひけるかな
《はるのよは ふきまうかぜの うつりがを きごとにうめと おもいける

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第49首 雪解けの道

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第49首】
 雪ふかき 岩のかけ道 あとたゆる 吉野の里も 春は来にけり
《ゆきふかき いわのかけみち あとたゆる よしののさとも はるはきにけり

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第48首 谷に響く音

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第48首】
 みむろ山 谷にや春の 立ちぬらむ 雪の下水 岩たたくなり
《みむろやま たににやはるの たちぬらん ゆきのしたみず いわたたくなり》

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第47首 白雲の桜花

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第47首】
 白雲と みゆるにしるし み吉野の 吉野の山の 花ざかりかも
《しらくもと みゆるにしるし みよしのの よしののやまの はなざかりかも

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第46首 春限定の滝

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第46首】
 山桜 咲きそめしより 久かたの 雲ゐに見ゆる 滝のしら糸
《やまざくら さきそめしより ひさかたの くもいにみゆる たきのしらいと》

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第45首 雁への願い

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第45首】
 とどまらぬ 心ぞ見えむ かへる雁 花のさかりを 人にかたるな
《とどまらぬ こころぞみえん かえるかり はなのさかりを ひとにかたる

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第44首 飛び去る雁

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第44首】
 かへる雁 雲ゐはるかに なりぬなり また来む秋も 遠しと思ふに
《かえるかり くもいはるかに なりぬなり またこんあきも とおしとお

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第43首 届けたい美

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第43首】
 心あらむ 人に見せばや 津の国の 難波わたりの 春のけしきを
《こころあらん ひとにみせばや つのくにの なにわわたりの はるのけし

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第42首 一夜の違い

※このノートでは、春の和歌をご紹介します。各和歌のイメージを記した【イメージ】のあとに、【ちょこっと古語解説】というパートを設け、和歌中の古語を簡単に説明しています。なお、【イメージ】は、現代語訳そのものではありませんので、その点、ご了承ください。

【第42首】
 三島江に つのぐみわたる 蘆の根の ひとよのほどに 春めきにけり
《みしまえに つのぐみわたる あしのねの ひとよのほどに はるめき

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