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「礼儀作法を科学する」マナー研修で、最初に身嗜みを伝える理由②

「礼儀作法を科学する」葛西(かっさい)美雪です。
前回、文字数が多くなってしまい概要しか書けず…
今日はその続きである「身嗜みのチェック方法」の詳細となります!


1,身嗜みとは自分をアイコン化すること(復習)

前回、なりたい自分をアイコン化することが身嗜みであると言いました。
・個人であれば、見せたい、なりたい自分のアイコンにする。
・接客を伴う企業であれば、ブランドイメージと、接客スタッフの印象のアイコンに差異がないように整える、と説明しました。

接客を伴う企業の身嗜みについて、イメージしやすいように例えを出してみましょう。
【高級宝飾店で時計を販売する人の身嗜み】
・時計に見合う仕立ての良いスーツ
・清潔感のある髪型
・品格のある控えめなメイク
・よく磨かれた靴
・落ち着いた話し方の人

イメージするに、だいたいこんな感じの方が身嗜みができている、と言えるのではないでしょうか?
しかしながら、何かの間違いで、高級宝飾店の方が109のギャルファッションショップで接客するとしたら…をイメージしてみてください。

トラディショナルなスーツは高級感もあってきっちりした印象だけど…悪目立ちしてしまう感じがしますね。「なぜこんな人がいるの?」「え?この人ここのブランドの役員の方?」お客様は違和感を持たれ、勘ぐってしまいそうです。
そうなると、適切な「身嗜み」とは言えない、ですね…。

やっぱり、109のスタッフの方は、これから流行する最先端のファッションで身を包めていただかないとお客様の購買意欲が湧きません。
つまり、109のスタッフの方は、お客様の目指すファッションアイコンとして存在しているのです。まさにブランドイメージの体現化!
ショップにはお客様にとって「なりたい自分」が立っている。ということ。

そうです。つまり企業にとっての「身嗜み」とは、
・「その場の雰囲気に合わせる」ことが重要
・お客様の「なりたい自分」を演出できていることも重要

と、なるわけです。

2,身嗜みのチェック項目

では具体的なチェック項目をお伝えいたします。
以下の4つは、主に企業向けの「身嗜みのチェック項目(概要)」です。
実際にはチェック内容を細分化し、かつ他者視線で確認します。

2-①,清潔感と健康・快活さがあるか

身嗜みの基本は清潔感です。
レストランでサーブされたお皿に髪の毛が入っていたら不潔である印象を持ってしまいます。それが、どんなに洗いたての健康な髪であっても許せないことでしょう。これが清潔感です。実際の清潔不潔ではなく、清潔であるというイメージ「清浄感」を重要視します。特に日本人は清潔感について厳しい目を持っています。

自分の身体の一つ一つ清潔感のチェックは欠かせません。
・結んだ髪がほつれていませんか?
(⇒疲れた印象、自分に気が回らない=お客様も雑に扱う印象につながる)
・男性の髪は衿や耳に掛っていませんか?
(⇒これはお店の雰囲気にもよりますね)

2-②,外見への高い意識があると感じられる身嗜みか?

身嗜みは、「自己管理ができる人物か?」「自己実現のために努力している人物か?」も表わします。身なりや外見は、個人の自己管理やルール遵守の意識があるかもジャッジされてしまい、お客様は、自己管理できない人は私のことも雑に扱いそう、とイメージするのです。
・爪が長いまま接客していませんか?
(⇒自己管理・ルール遵守できているか)
・場に見合うお洒落を取り入れていますか?
(⇒自己実現への努力と人生に前向きである姿は、高いサービスを予感させる)

2-③,職種の専門性が醸し出されているか?

これは先ほどの109のお話です。職場の身嗜みはプロフェッショナリズムが求められます。

・その場の雰囲気に見合う、適切な外見と態度ですか?
・社会的な規範やビジネスマナーに従った身嗜みですか?
・組織内での信頼性や尊重を築ける外見をしていますか?

⇒私事ですが、オフィスカジュアルな企業で、上司が毎日ジャージだったことがあり、信頼を築く前に退職してしまったことがあります。(その上司が配属されて1ヶ月経たずに退職を決めた)
悪い人ではないけれど、ジャージの人に指示されるのが無意識に嫌だったんでしょうね…。悪い人では無かったのですが(2回目)分かり合えませんでした。

2-④,組織文化として整備されているか?

身嗜みは、チームビルディングや組織文化の一環としても役立ちます。
ある高級車販売会社で「特別な日には全員がお揃いのネクタイにしてお客様をおもてなしするんです。」と伺った際には感動を覚えました。
特に制服のない会社だったのですが、その「お揃い」には自分たちのサービスへの誇りが感じられ、「かっこいい!この販売店さんで車を買いたい!」と思ったものです。
組織内で統一された身嗜みは、一体感や協調性が促進され、組織の統一感やプロフェッショナリズムが高まります。

いかがでしたでしょうか?
今回は企業向けのお話となりましたが、個人の方でも十分に活用いただけると思います。

何となく受講していた身嗜み講座も、その身嗜みが必要である理由や社会的心理を付け加えると、腑に落ちて実践する意欲が出るものです。

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