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【初心者向け】産まれて初めて同人イベントにサークル参加した話(準備・制作編)

イラストレーターの柏井ハヤトです!
つい最近まで同人イベントには、恥ずかしながら一般・サークルのどちらも全く参加したことがなく、完全にネットごしでしか見たことのないイベントという位置づけでした。

日本でクリエイティブに生きる身としては、それを体験しないのは何だか恥ずかしいような申し訳ないような気がしていたので、感染症も落ち着いてきたタイミングということで今回東京ビッグサイトで開催されたコミティア141に参加してきました!(後ほど関西コミティア65にも参加したのですが、そのことについてもお話したいと思います。)

東京ビッグサイト。逆三角のシルエットが大迫力

そもそも何故参加しようと思ったか

イラストレーターとして仕事をしようと思いたち、現状有り難いことにある程度の依頼やコンテストへの入賞など頂けてはいるのですが、クリエイターが自分の作品を頒布し交流するといった同人イベントには一般参加すらしたことがありませんでした。

顔を合わせることによる信頼性の向上とかそういうのはもちろん大切ですが、それ以上に純粋に同人イベントなるものを体験したい!とかネット上の可愛いアイコンとVCで聴いた声の印象に留まっている絵描き仲間とはどうにかしてお会いしたい!という気持ちが参加のきっかけでした。

それから、最近ずっと地元(沖縄)を出ていないので旅行に行きたい!資料をいっぱい撮りたい!という取材の側面も後押しになりました。金色に輝く銀杏の木とか清涼感溢れる竹林、稲荷神社、エモさ溢れる電車の駅なんて地元には全くありませんから。

ないものねだりだけど、こんな風景が好きすぎる!(写真は2018年に千葉県で撮影)

一般参加をすっ飛ばしてサークル参加した理由

僕の地元は沖縄で、県外に出る方法が飛行機以外にないのですね。そう頻繁に行けるというわけでもないので、旅の計画には仕事に繋がる明確なリターンがなければならない、という考えが根底にありました。

サークル参加すれば自分の作品のアピールが出来るのはもちろん、場の雰囲気をつかむといった、僕自身が想定していた一般参加の目的も満たせる上、本が欲しければ後日BOOTHで買うことだって出来ちゃいます。

よって参加するならサークル一本。ただし不安を払拭するためにも準備は入念に行うといったかたちで進めることにしました。

誰でも最初は初心者、問題ナッシン!

どんな本を作ろうか・・・?

同人イベントたるもの、何はともあれ新刊がなければ話にならない。ということでイラスト集を作ることにしました。

ただ絵を並べただけのイラスト集では、僕が一次創作を通して何をしたいのかが今いち伝わらない。女子校生が魔法少女に変身して何故戦うのか、そもそも世界観はどうなってるのか、キャラクターの関係は?といった疑問に対する説明がなければ次に繋がることはないのでは、という心配がありました。

そういうわけで、今までに描いたオリジナルキャラクターの紹介に主軸をおいた設定資料集を作ることに決定。

本の仕様はどう仕様

本の仕様について、僕は最初から32pフルカラーでいこうと決めていました。厚みのあるボリューム感のある本を作りたかったこと、プログラムを齧った経験上32という数字が妙に気持ち良かったことあたりでしょうか。

(8、16、32、64、128、256、512…これらの数字が妙に気持ち良い)

ページ数については客観的な感じ方も知りたいと思った矢先、このような表を見つけました。「32p|情熱的な創作意欲を感じられるページ数」・・・最高じゃないか!よし、32pで決まりだ!(客観的?)

32ページのうち前半が設定資料で後半がイラスト集。設定資料には4コマ漫画を入れて、描き下ろしの立ち絵と説明文。これで読みごたえのある本が出来るに違いない…!そう思うと創作意欲がどんどん湧いてきました。

次に表紙及び印刷会社。これは、以前に購入させて頂いた本「プリンスオンリーアンソロジー/なかの(@mugachu)」の表紙がホログラムで、その表紙と掲載されたイラストおよびその印刷の良さに惚れ込んだことがきっかけでした。遊び紙も非常に美しく、僕もうちの子でこれをやりたい!と思ったので印刷会社は同じ「プリントオン」になりました。

豊富な特殊加工はここに依頼する決め手としては充分かと思われるが、早期入稿特典も非常に魅力的なのでこれを利用しない手はないのかも✨

制作開始。…いくつか課題も

本の仕様を決めたら制作開始。ひとまずオリキャラの立ち絵18名と変身後の姿6名を描くことにしましたが、この時点での未確定要素が以下の通りでした。

  • 魔法少女の衣装未確定1名、リメイクしたいのが残り5名

  • ぼんやり頭にはあるがきちんとデザインしてないキャラ6名

  • 名前と設定が未定のキャラ5名

なぜ18名にこだわるのかという点についてはページ数の都合もありましたが、いずれもっと増やす予定があったので、18名を現時点のノルマとしようという考えがありました。多少粗のある部分は、一旦世に出してから設定を変えても良いだろうくらいの気持ちでした。

オリキャラ変身後の姿

次に4コマ漫画。これは世界観の説明を兼ねていたので、学校生活1本と異世界1本。世界観と仲間内ではこういうノリなのかーみたいなところを伝えるのがコンセプト。

4コマ漫画の一部

特集記事では絵描きとしての成長を感じられるようなデザインの変化をまとめることにしました。時の経過によって絵柄やデザインが変化していくのって楽しい!

入稿データ制作

入稿データは「Affinity Designer for iPad」を使いました。僕はイラストの制作もiPadで行っているので、実質本づくりのための全ての作業をiPadで行なったことになります。

実際の編集画面。完成したらページのひとつひとつをPSD形式でエクスポートする

続いてチラシやポスター、名刺にポストカードを作っていきます。

プリントオン、グラフィック、ラクスル、3ヶ所の印刷会社のお世話になりましたが、いずれもスムーズに進み満足のクオリティで美しく仕上がりました✨
適切に入稿データを作ればいずれもiPadのみで全然問題なさそうです。

新刊本はプリントオン、ポスター・名刺はグラフィック、
チラシ・ポストカードはラクスル

スペース設営のシミュレーション

初めてのイベント参加は不安で一杯!
現場での「そんなはずじゃなかった!」を無くすためにも綿密なシミュレーションをすべきと思ったので、自室のデスクを使ってやってみました。

スペースの四隅にテープで印をつける

コミティアで提供されるスペースのサイズは以下の通り

1スペース幅90cm・奥行き45cm・高さ約70cmです。
サークルスペースの机のサイズを教えてください。|COMITIA (https://www.comitia.co.jp/faq/index.php?mode=faq&id=59)

上記の寸法に合わせてデスクにスペースエリアを作り、ここにアイテムを並べることでほとんど同じレイアウトを会場に再現可能になる。下のように並べてみました。

レイアウトのシミュレーション

最もアピールしたい新刊は中央、左手にポストカード、お品書きとアクリルグッズ、右手に無配アイテムとポスタースタンド。

アクリルグッズのディスプレイに!ステンレスパンチングを使ったグッズスタンド

卓上のポスタースタンドにステンレスパンチングを取り付け、取り付けたフックにアクリルグッズを引っ下げてみた

持っていくものは決まった!後は荷づくりするだけ

シミュレーションも完了し、設営道具をまとめた。大体以下の通りだ。

頒布物

  • 新刊「エンジェライト・プリモード」 30冊

  • ポストカード 120枚ほど

  • 無配チラシ 150枚ほど

  • 配布用名刺&名刺ケース 100枚ほど

  • ビジネス用名刺&名刺ケース 20枚ほど

  • アクキー 5種×5個 計25個

  • アクリルスタンド 2種×3個 計6個

その他設営道具

  • 新刊(見本誌1冊、会場への提出用1冊)

  • 見本誌用イーゼルスタンド 大1つ

  • ポストカード用イーゼルスタンド 小3つ

  • ポスター&運搬用筒 A2/1枚

  • お品書き&硬質ケース A3

  • お品書き固定用クリップ 3つ

  • アクリルグッズ用スタンド(カスタム)

  • テーブルクロス用滑り止めシート 90cm×30cm

  • テーブルクロス サテン/紺 90cm×100cm

  • 消毒用エタノール&スプレーボトル

  • スライドショー用端末(iPad)セキュリティチェーン&南京錠

  • 端末用モバイルバッテリー(Anker製/10000mAh)

  • 各商品値札(コンビニで印刷・ラミネート加工)

  • 値札用スタンド&クリップ

  • コイントレー

  • コインケース

  • 油性ペン(黒、赤)

  • ハサミ

全てをスーツケースにまとめて重量はアンダー18kg。ANAで追加料金なしで預けられる20kg制限には収まった。

スーツケースの重さを測る画期的なアイテム。これはぜひ持っておきたい

準備を終えいざ会場へ。続きはこちら!

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