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こどもの野球観戦

「わかんない〜、もうイヤだ!」
と娘の声が響き渡った。
周囲に座っている人たち5人くらいがこちらを向いた。

ここは東京ドーム。
巨人対ソフトバンク。
セパ交流戦優勝がかかった試合中でのできごと。

私たち家族は内野席で観戦していた。
応援団は外野席を陣取って応援しているので、外野席ほど応援に熱中している人は少いないが、リズムに合わせて手を叩いたり、ボソボソ応援している人は多い。
球場全体には応援が鳴り響く。

娘は長時間の野球観戦に飽きてグダグダの状態。
6歳には少し早すぎたのかも。

声を出して応援したが飽きたしまった。
お菓子も食べ終わってしまった。
球場内散歩もした。
出場選手を選手名鑑で探すゲームもやった。

それでも試合はまだまだ中盤の6回表。

最後の切り札として、タブレットを渡した。
スマイルゼミというオンラインの学習教材で、勉強をやった分だけ、ポイントがたまり、ゲームができる。娘がハマっているものだったので、問題ないはずだった。
家ではやり過ぎて、怒られるほど勉強とゲームをやっているので、満を持して登場させた。 

娘には野球場の雰囲気には馴染みがなかったし、長時間の観戦で疲れが出てきたのだろう。
スマイルゼミでわからない問題がでてきて、気持ちが爆発した。

騒音鳴り響くプロ野球の試合中であれば、娘がどんなにウダウダして大声を出したとしてもかき消されるもんかと思っていた。

娘は叫んだ。
娘の声かかき消されなかった。
周囲が振り向きなんとも居心地が悪い感じ。

私はそれまで大声で応援してたんですよ。
その声で皆さん、こちらを見ませんでしたよね?

TPOに即した言葉というものがあるんだなぁと思った。

私の大声は、みんなが求めていたタイミングで、的確は言葉を発していたってことなんだな。これらの私の声は受け入れられていた。

「坂本!頼むぞー!」
「丸!打てー!」

ここだけの話、私は野球やってたこともあり、球場行くとお酒飲んで大声を出したくなる。以前に比べて大声出す酔っ払いのオッサンの数は減ってしまって、張り合いが無くて寂しかった。

異質なモノは違和感を与えて注目される。
場に合わない言葉を発することで、不快感を与える。

娘の言葉が楽しいことにつながる言葉だったら、受け入れられただろう。
注目されてみんな笑顔になっていただろう。

私の考えが少し浅はかだったかなと反省している。
対策していたつもりだったが、不十分だった。
娘には酷なほどに長時間だった。

娘よ、ゴメン。と思いながら、周囲に軽く謝った。

今後、同じような悩みを持つ親子のために、親子で楽しめる野球観戦の方法を探していきたい。

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