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詩集

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2016年11月の記事一覧

君のいない年越し

心に 白いため息ついた冬
曇るガラスを こすって
会いたいって ただ声をききたいって
綴ったのに
君に 伝わらないまま
文字は 雑踏に 消えていく

長々と 綴るより
ただ 君と 目を合わせたい
言葉でも 伝わらないまま
互いに 平和な勘違いしたまま
通りすぎた 日々

なんだか わかってないまま
それでも 君が 隣にいた夏は
まだ 平和だったね

これから 君のいないクリスマスが
やってくるけど

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百面相

このノートで
この タイプライターで
この PCで
この ケータイで
この スマホで
詩を 綴っていく

文字で 百面相してる
ずっと昔から
今も ずっと
これからも

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光が見えない時ほど

月の明かりが 隠れて 見えない時ほど
星の明かりが 隠れて 見えない時ほど
この 切り裂く 恋の 感情を
この 切り裂く 夢の 美しさを
捨て去りたく なるけど

捨て去れなんか 出来やしない
自分の中に 確実に しまい込まれてるだけ
また 心の底から 叫び声を 上げだすの

わかってはいるけど わからないんだ
認めたくないだけの
素直でも 正直でもない
ひねくれた 私

誰かを 傷付ける位なら

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カマス

カマス

カマスは 干物の方が 美味しいから
カマスを 海辺で 干していたの

猫に 襲われないように
じっと 見張っていたわ

潮風が じれったくて
さざ波の音に 惑わされて

それでも 猫に 台無しにされるのを
どこかで おそれていたの

それが 猫を 誘き寄せるとも 知らずに
じれったい 潮風に 流されるままに
猫に カマスの干物の なりかけを
食べられてしまったの

もういいわ 人間はもう 食べられ

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繋がない手

繋がない手

見つめてる あなたの手を
つないでみたかった

けど 一度でも つないでしまえば
熱の記憶が 老いても
消えそうにないから

触らないで って 叫んで
サヨナラを 告げたの

どうしたって 結ばれない恋だって
わかっていたから
あなたのために なんて 詭弁は 言わないわ
私のために サヨナラを叩きつけたの

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