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#1 「McCartney」 - ようこそ我が家へ【Paul McCartney Album Review】

本日6月18日はポールマッカートニーの81歳の誕生日です。
今回からは、10代の頃にジョンレノンと出会い、ビートルズを経て
60年以上にわたって現役で活躍している
ポールマッカートニーのアルバムについて順番にレビューしていこうと思います。
と言ってもポールのソロアルバムは全部手元に揃えている訳ではないので、
入手しつつ書いていくつもり。
(というか、ビートルズより先にこっちを思いついてたんですよ、ほんとは。
ビートルズのアルバムレビューで既に多くの方が気づいていたかも知れませんが、かしまさはポール推しです)

てことで、ポールの初ソロアルバム「McCartney」のレビューです。

基本情報

オリジナルリリース 1970/4/17

  1. The Lovely Linda

  2. That Would Be Something

  3. Valentine Day

  4. Every Night

  5. Hot as Sun/Glasses

  6. Junk

  7. Man We Was Lonely

  8. Oo You

  9. Momma Miss America

  10. Teddy Boy

  11. Singalong Junk

  12. Maybe I'm Amazed

  13. Kreen-Akrore
    total time 34:22

ビートルズの事実上のラストアルバム「Abbey Road」が発売された
1969年9月、ジョンがビートルズ脱退を宣言。
ビートルズの終焉に打ちひしがれたポールでしたが、
同年12月頃から「Let It Be」の作業と並行して制作が進められたようです。
そのLet It Beより1ヶ月早くリリースされていますが、
このアルバムの発売に際してメディア向けに用意された資料をもとに
ポールのビートルズ脱退が先に報道されてしまい、
長らく「ポールがビートルズを終わらせた」ということにされてしまっていました。

レビュー

☆☆☆☆☆☆☆☆★★(8/10)

「ビートルズを終わらせた男」のアルバムということで
発売当初はものすごく風当たりが強かったらしいのですが、
今聴いてみれば素晴らしい作品です。
ほとんどの楽器をポール自身が演奏し、自宅でレコーディングしています。
そんなわけで「宅録」の名作アルバムと言う人もいるくらい。
奥さん(写真家)が撮影したアルバムのアートワークには
娘を抱っこした写真なんかも使われていて、
ビートルズにはないほんわかした温もりを感じられる作品です。
良い意味で「ゆるい」んですよね。

楽曲解説

以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。

The Lovely Linda

レコーディングを自宅でするために家に用意した
レコーダーの動作テストとして即興で作られた曲。
どうってことない曲ではありますが、このアルバムの中では重要なんです
途中で「キィッ」という音が入っているのですが、
これは歌詞に歌われる奥さんが門を開けて庭に出ていく音とのこと。
1970年当時のポールの家に招かれたような気持ちになります。
2001年に出たベストアルバム「Wingspan」にも入れちゃうくらい、
ポール本人は気に入っているみたい。

That Would Be Something

シンプルながらも展開があって面白い曲。
ビートルズならジョンとかが注文をつけてきそうな気がするけど
完全に1人で自由にやっている感じがします。

Junk

胸が締め付けられるような超名曲。
2番から入ってくるトイピアノの音が泣けるよね。
ホワイトアルバムの頃には原型があったようで、
「イーシャーデモ」にも作りかけの状態で収録されています。
ガレージセールに並んだもう使われない品物について歌っていますが、
「ビートルズから離れて1人でやっていくんだ」という気持ちとも、
解釈できなくはない。
これもやっぱりお気に入りなのか、
インストVer.が同じアルバムの中に収録されています。

Teddy Boy

お蔵入りになったビートルズの「Get Back」に収録されていた曲。
ビートルズが演奏するVer.は「Anthology 3」で聴けます。

Maybe I'm Amazed

当初付けられていた「恋することのもどかしさ」っていう邦題が秀逸だよね。
心の支えである奥さんへの気持ちを不器用に綴った超名曲。
「こんなにも愛されていたなんて、そして愛してたなんて自分でもびっくりしてる」
という歌詞は
恋愛に限らず、親子にも当てはめられますよね。
そんなわけで、かしまさはこの曲を聴くと母のことを思い出します。

Kreen-Akrore

これまた自由な雰囲気のインスト曲です。
どことなく部族っぽい曲だなと思っていたら
曲名の「クリーン・アクロア」というのがブラジルにいる
先住民(インディオ)のことらしいです。
曲後半でスーハースーハー息をする音が聞こえますが
これまた奥さん、リンダがやっているらしいですよ。

まとめ

インスト曲多めだし、ちょっと奔放すぎるというか、荒削りというか。
それだけ見るとマイナスなのですが、だがそれがいい。そんなアルバム。
少なくとも「Junk」「Maybe I'm Amazed」の2曲が入っているというだけでお釣りがきます。

それでは、かしまさでしたー。

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