マガジンのカバー画像

スタートアップファイナンス

272
スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
運営しているクリエイター

#ファイナンス

ファイナンス未経験の僕がチューリングの「臨時CFO」として50億円を調達するためにやったこと

はじめに みなさんこんにちは。"We Overtake Tesla"を合言葉に完全自動運転の実現を目指すチューリングでCOOをしている田中です。 先日プレスリリースや各種メディアでも発表させていただいた通り、我々チューリングは多くの投資家に支えられ、プレシリーズAラウンド前後半あわせて45億円の資金調達を実施しました。 チューリングにはCFOがいなかったので、会社の成長に必要なことは何でもやるCOO魂を発揮し実はちょうど1年前ほど前から僕が「臨時CFO」としてファイナンス

【30億円調達】IVRyはなぜCFO不在の中、シリーズCエクイティファイナンスを成功できたか?

こんにちは、対話型音声AI SaaS IVRyの開発・運営をする株式会社IVRyで財務経理を担当しております後藤です。 この度IVRyはシリーズCラウンドでエクイティファイナンスを実施し、30億円の資金調達を行いました。これにて累計調達額は49.5億円となりました。 またこの調達を記念して、IVRyではリレー形式でブログ投稿を行っております。 社長の奥西から始まり、ユニークなメンバーによる記事や、今回投資いただいたVC対談も公開しておりますので、是非過去の記事も覗いてみてく

CFO Tech

前回書いたスタートアップCFOのネクストキャリアがなかなか好評頂いたので今回もCFO関連で。 前職でCFOをしていた頃「こんなプロダクトがあったらいいのに」と思うことが色々ありましたが、ここ1-2年、そんな「あったらいいながある!」を目にする機会が増えてきています。ここでは「CFO Tech」というテーマでいくつかピックアップしてみました。 (現職でも引き続き投資家として様々なスタートアップとは向き合っているものの、CFO職務自体は離れて数年たちますので感覚が古かったらご容

NEWTがシードラウンドで23億円を調達したデック資料とオペレーションを公開してみる

最近、noteをあまり書かなくなってしまった。社内でも毎月色々なことを発信しているからして、日々ネタがないわけでも、学びがないわけでもなく、単に自分が怠けている。ということが言えそうです。メンバーみんなはいつも必死に書いてくれているのに、自分だけ書かないなんてのは絶対によくないので頑張って書いてみます。(エンジニアブログはここから) 2-3月は、ただひたすら来期経営戦略を悶々と考える時期。そんな折、創業の時に使ったファイナンスデックはもしかするとスタートアップの皆さまにちょ

スタートアップがPEファンドを担いだファイナンスを実行した話

HRBrainでCFOをしている井出です。 先日プレスリリースでもご案内しましたが、欧州系のPEファンドであるEQTがHRBrainに資本参画することとなりました。日本の未上場スタートアップに外資系PEファンドが投資する事例は今までもありましたが、過半数まで取得するケースはかなりレア(もしかすると初めて?)であるという認識です。私たちは、今後5~10年スパンで成し遂げたいことから逆算して、従来の常識にとらわれない発想で考え尽くした結果、こういった座組となりました。 2021

成長戦略としてのスタートアップM&Aに関する考察_2023/12時点

10Xが運営するpodcast、10X.fmの「山田の部屋」という企画にて、直近二回に渡り、NYC在住しながら、複数の日本のスタートアップ企業のM&A・ファイナンス面の支援を行っている佐々木さんをゲストにお迎えし、前編・後編の2回で今後の日本におけるスタートアップM&Aの展望について議論させて頂きました。 このpodcastでの対話を通じて、スタートアップにおけるM&A(スタートアップが買う側・売る側双方の場合があります)は、今後のスタートアップエコシステムの進化において確

エクイティファイナンス、泥臭いその1手で1%でも確率を上げるために。

書こう書こうと思っていましたが、なかなか書けていなかったnote。 次はいつになるかわかりませんが、今回のものはまだ記憶に新しい今のタイミングで書き留めておきたいと思ったので筆を執りました。 後ほど簡単に自己紹介にも記載しますが、直近4年間は主にCFOとして上場準備中のスタートアップに参画し、ファイナンスやIPO準備などに取り組んでいました。 しかし今月(23年9月)からは上場企業に入社し、しばらくはIPO準備企業にフルコミットすることはなさそうだなと感じているため、直近4

【解説】10月スタート!新しいIPOプロセスが与えるスタートアップへのインパクト

来月(2023年10月)からIPOプロセスが新しくなることをご存じでしょうか。かなりテクニカルだし、正直あまり注目されていないと思いますので、知らない方も多いかもしれません。しかし、大きく日本のIPO、そして日本のスタートアップ・エコシステムをアップデートするキッカケになる可能性を秘めています。今日は、そんな「新しいIPOプロセス」について解説してみたいと思います。 事前に言っておくと、今回18,000文字を超える大作になっています。ただ、難しい話をできる限り簡単に書いたつ

IPOにおけるオファリングサイズは極大化させるべきか、極小化させるべきか。

皆さん、こんちには。 2023年もあっという間に上半期が終わってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。 IPOに目を向けると、2023年は東証の証券会社ヒヤリングによると90社超で着地しそうとのことで、2020年/2022年水準と同程度となりそうです。 オファリングサイズで見ると、楽天銀行(5838)や住信SBIネット銀行(7163)が牽引し、2021年上半期を上回る水準で推移しています。 USでは既にいくつかの大型テックIPOの承認が出始めていますが、日本でも202

数字でドライブする経営(後編)

皆様、こんにちは! テックタッチ株式会社のCFOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade) 最近、色々な経営者の方と数字を経営にどう活かしているかという意見交換をしたり、テックタッチ社内での経営の舵取りの際も、数字を使った経営判断をすることが多くなってきているので、「数字でドライブする経営」についてのナレッジシェアを目的に、noteを書いてます。 前回、「数字でドライブする経営(前編)」の続編という形になります。なお、前回のnoteはこちらです。

【YCC修正】今さら聞けない、金利と株価の関係、スタートアップへの影響(初学者向け)

7/28(金)、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)の修正を決めました。YCCは、簡単にいうと金融緩和の一環で日銀が国債を買って、国債の金利が一定以上に上昇しないように操作することです(これがなければ、国債の価格と金利は市場原理で自由に決まります)。YCCは2016年に導入された金融政策ですが、日本国債の金利はインフレ目標を達成するためにYCCによって長らく0%近辺に抑えられていたところ、今回日銀の許容する金利の上限が押し上げられことで、今後金利が徐々に上がっていくの

IPOを通じて実感したスタートアップCFOの存在意義は「Equityの追求」

こんにちは、CFOのnickです。 フーディソンは2022年12月に東京証券取引所グロース市場に上場しました。 私は2016年にフーディソン入社し、その間にファイナンス面ではシリーズBの資金調達、銀行借り入れ、IPO準備を進めました。年間に上場する企業は90社程度あるので、それぞれストーリーが違うと思いますが、個人的に考えてきたことをまとめさせていただきました。 スタートアップCFOの管掌範囲 スタートアップとは便宜的に、VCファイナンスを調達した未上場企業とします。 C

【2023年春】スタートアップ資金調達環境お天気図

お疲れさまです! 千葉道場ファンドの石井(Twitter: @takaki_ishii) です! 元起業家で現在千葉道場ファンドというVCで投資家をしております。主にシード・アーリー/プレAまたはレイターステージを主な対象として投資をしております! 最近はAppleのVision Proにワクワクしっぱなしです。確実に買います。もうVisionPro買うために年内US行くまであります。 さて、半年前に公開した【スタートアップ資金調達環境のお天気図】が思ったより多くの方にご

【資金調達】初めてのエクイティファイナンスのためにしたこと

少し前に、当社初のエクイティファイナンスを実施しました。 お時間をいただいた投資家さん、そして投資家さんをご紹介いただいた方に御礼を申し上げます。 リリースを配信したPR TIMESでも旬速トレンド3位に掲載され、多くの方に認知いただくこともできました! 私自身、CVCとしての出資経験はあるのですが、出資いただく側としては初体験で体当たりなことも多く、「あぁしておけばなぁ」ということもありました。この経験が少しでも皆様の役に立てばと思い、 ・どういうスケジュール感で、